脇役の血統 ハンプトン系
ハンプトン系
凱旋門賞を毎年のように盛り上げているステイゴールド産駒。そして今年はもう一頭のキズナが父の汚名を雪ぐべく、お互いリベンジマッチを旗印に、ダービーウイナーツープラトン作戦での悲願成就を目論んだのだが…。
やっぱり、ペースメーカーくらいは出さないと…。
でも、夢が遥か遠くにあるわけでもない。
ディープ親仔は、3位入線と4着。
ステイゴールドは砂漠までせっせと遠征したが、アジアの外まで出ることはなかった。
が、産駒は凱旋門賞で4戦2着3回。
出走馬は2頭。微妙だけど、やっぱり凄い。
そのステイゴールドを語る上で、ポイントとなる種牡馬がいる。
母父ディクタスだ。代表産駒は、叔父サッカーボーイ。
ノーザンテーストとの組み合わせで、この一族は毎年のように重賞級の産駒を送り込んでいる。
ディクタスはスタミナを補強する意味合いより、闘争心を引き出す影響の方が強い。
ハイぺリオン系の日本の代表馬セイウンスカイを筆頭に、ハンプトン系の継承者はアイネスフウジン、フレッシュボイス、古くはハイセイコーなど中距離戦で激しさを内に秘める性質を大舞台向きの底力によって、スピードやキレ味に転換し劇的シーンで主役を張ってきた。
時代ごとに名馬が現れるハンプトン系。
サッカーボーイは、その中で最も優秀な種牡馬となった。
サンデーサイレンスらしかぬ、異常なまでの重馬場適性は、サッカーボーイにも備わっていない性質。
ステイゴールドもまた、異質な才能の持ち主だ。
フランス発、主流偏重の疑義。
脇役に主役の華やかさや底力などは必要ないが、それ以外のところで勝たないと血を残すことすらままならない。