砂の国の鏡
重い結果だと思う。
必然と滞留。
ジャスタウェイは、元より天皇賞の強烈な競馬と、到底対応不可能と思われた中山内回りコースを前回クリアしたことで、本番でも好走することは容易に想像できた。
血統構成だけ見ても、彼がアーリントンCで天皇賞の予告編を見せていたことの方が、むしろ今では不思議なくらいだ。
ジェンティルドンナは、年々タフさを備えた大人の馬に成長していった。
とはいえ、彼女は3歳春の時点で基本能力を全て示していた。
オプションを競馬を使って増やしていき、ウオッカのような走りで待望の海外GⅠ制覇へと繋げた。
日本馬には晩成型が多い。
サンデーサイレンスは平均的かつ理想的な成長曲線を描く馬を数多く生み出したが、幾分奥手の配合相手(牝系)との相性が抜群であったことも、大成功の要因であった。
この結果から、格を守る立場にある競馬界の中心的存在だという認識を、ファンも関係者も持たねばならなくなった。我々には、誇りを持って競馬をする義務がある。
日本の大型馬のジレンマ。
スプリンターとしては、決して大型ではなかったロードカナロアの成功。
タイキシャトルやデルタブルースとの違い。
スピード型ではなく鈍重なタイプがダートを走っている状況が、今も変わっていないということだろう。
結果、芝での実績やらダートでの安定感やらが、オールウェザーでは全く無意味なものになってしまった。
ダートのスピード競馬で足元を見られた結果は、本番での惨敗を見事なまでに明示していたのだ。
自身の認識の甘さも、ここは真摯に受け止めねばならない。強さと同時に速さも示していないと、万能性を問われた時は脆い。