社台の目指すべき道
SS系牝馬は競争原理の最前線において、選別を続ければ優秀な血は簡単に残していけるだろう。
直系種牡馬はより厳しいその生存競争に晒されていくわけだから、こちらも爆発的な増加は考えにくい。
主流系統は、自然に身を委ねれば答えは出る。
ただ、配合相手となる他系統の未来は明るくはない。
もはや、直系存続は叶わないマックやテイオーのような21世紀でも通用する土着の系統を作るには工夫がいる。
淘汰の基準を貴重さによって、篩の目を調整することが望ましい。
天皇賞へのこだわりと執念が生んだ芦毛の顕彰馬と、オークス馬の姉ではなく妹のトウカイナチュラルから生まれた四冠馬。
理屈を言えば理想論になるのが馬産の常識。
傍流の含まれる繁殖馬を輸入し、次の代にでも使える南半球や独の血の入った馬との交配を続けていけば答えは出るはずだ。
今のまま最善策の現状維持を基本理念に競馬事業を続けていては、サンデーの血が残せなくなる。
徐々に、リスキーな方策へシフトチェンジすべき時がやってきた。非常識への挑戦。
牝駒の育成、競走、生産の管理手法は巨大組織として十分末端にまで声が行き届いており、一貫性がある。
無理をさせてはいけないことを十二分に心得ている。
下地はできている。後は、日本に合う血統を作るだけ。
そのためには、競馬サークル内との連携も密に図る必要がある。
勝利至上主義に走りやすい商売であるから、今ある驕りの部分をいかに排除していくか。
課題は単純でも、目標達成は実に困難である。
勝たなくても、未来を切り開くために必要な血であれば、それを残す努力をする。
競馬界を牽引する者の責務である。