騎手批評(前編)
<クリストフ>スミヨン
<岩田>ヤス誠
<武>ユタカ
JCの内容は強烈で印象的。また象徴的だった点も同じか。
ユタカは、強かで断然人気で負けてもしらっとしてる。腹の立つほどに。
彼より年下とはいえ、まだ若い2人はよくへこむ…。
人間性という意味では、後者の方が同情できる。
その二人、ショーマンシップに走り過ぎる悪癖を持つ。
好きと嫌いが二分するエンターティナータイプ。あまりやりすぎると、やはりいい気はしない。
その分、先輩ユタカには英語の「smart」という表現がしっくりくる。
加えて、大一番直前の高圧的な言動も目立つが、負けると寂しそうにしている…。
どうなんだか。
速く走らせることに対する強みと、大博打に挑むことの少なさ。
勝負に妥協をすることはないが、ユタカに欠如するのがリスクへの挑戦だ。
時は、凱旋門賞直前。
ホワイトマズル、ディープインパクト…。
スミヨンの大胆な騎乗とは、一線を画す。
凱旋門賞を勝っている者と勝っていない者と乗ったことのいない者。
それを経験していないヤスは、ダートが巧い。
どうせならアメリカ遠征でもしたらどうだ。
園田と中央とアメリカのダートの質の違いを感じるだけで、乗り方に変化が出るはず。
今ひとつ、全体像を捉える力が不足している。
昨年、珍・凱旋門賞となった要因は、スミヨンの日本馬に対する認識の甘さ。
ヨーロッパの馬は、日本馬ほどはキレない。色々な意味で。
だから、今のオルフェーヴルを駆るに相応しい人間はこの中にはいない。
何せ、もう彼は人間に心を開くことはないのだから…。
うまく乗ることを諦める大英断こそが、彼を世界一にする唯一の秘策だ。