トウケイヘイロー快走
去年はあまりにもスローすぎたが、今年はまずまずの時計の決着となった鳴尾記念。
少し遅い流れを2番手追走から自然な流れで、途中先頭に立ち、最後は余裕を持って逃げ切ったのが、ゴールドヘイロー産駒のトウケイヘイローだ。
その鞍上が、レース後驚きのコメントを残していた。
「折り合えるとは思っていなかった」
ファンの視点と同じであった。
狙いの中には入っていたが、大多数は頭までは考慮していなかったはず。
故に、人気にはならなかった。
そういう馬は、GⅠの前哨戦では弱点をさらけ出して、意気上がるその他の上昇力のある馬や、路線の主みたいな実績馬に負かされるのだが今年はそういう馬がいなかった。
ダービー5勝ジョッキーをもってして、乗り難しいと思わせるのもまたすごい。
その秘密は、血統の中にある。
トウケイヘイローは、ミルジョージが母父なので一見距離がもちそうな感じではあるのだが、それより父ゴールドヘイローが謎深い。
ちなみにミルジョージは、気難しい馬も多く出した。
大井で走って出世できなかったが、一族は大種牡馬が名を連ねる、ラトロワンヌ系。
血統を買われてスタッドインして、今回はファンシミン系の良血牝馬との交配で成功例を出した。
SS産駒の一流馬は、走る馬の気性を持ち合わせていた。
気難しさは折り紙つき。
前回も気性への不安から前々に攻めていって人気を裏切ったのだが、良血馬はこういうことがあるから厄介だし、面白い。
ムラがあるのも確かだ。
ただ、秘めたるポテンシャルも見逃せない。
その上、ロードカナロアが距離の壁を難なく乗り越えた週の出来事なのである。
可能性はなくはない。