ジャスタウェイの謎
「普通は走らない配合」
ジャスタウェイは、イレギュラーな才能である。
競走馬としては、決していい配合ではない。
フィリーズサイヤーとしてなら成功を収めるかもしれない。
そんなこと言うと鬼に笑われるか。
具体的に見てみると、父ハーツクライにはトニービンとリファールが入っている。
ダイレクトに各々をとり合わせると、何をしでかすかわからないことは想定されてたはず。だから、普通のサンデー産駒より個性が強い。
一世一代の大駆けとなった2度目の有馬記念では、今までとは違う戦法で後続を封じたのだから、本当に不思議。
ディープ親仔に屈辱を味わわせたハーツクライ親仔。
それぞれリファールの血を共通して持っているが、特徴である重厚さをディープは底力に転換し、ハーツクライはそれを活用しきれず不器用さの源となった。
ジャスタウェイの牝系には、トニービンと相性のいいハイぺリオンの血が5代以内に5本。
トニービンの後継種牡馬ジャングルポケットも、同じ括りで9本入っている。
でも、インブリードの影響は小さく、この馬の基本能力はハーツクライによるところが大きい。
だから、欧州型の一流種牡馬を母シビルに配してからハーツクライをつけたらクラシック本番でも…。
もちろん、変にまとまりすぎて底力が半減するリスクも伴うが。
姉はバクシンオー産駒のスカイノダン。南半球のスピードタイプの種牡馬とは相性良好か。
弱点を補完する配合ではないのに、天皇賞圧勝。この結末はとても読み切れない。
あまり日本になじみのない血統が多く、色々なタイプの繁殖牝馬と配合してほしいが、ベストパートナーはどこにいることやら。