短距離路線回顧
この路線は重賞が二つ残っているが、マイルチャンピオンシップで一段落。これからは、来年に向けたレースが始まる。
まあ、ゴッド・ロードカナロアが年末の香港にでラストランを迎えるので完全に終わりというわけではないのだが、それはあくまでもエキシビジョンマッチ。挑戦で終わる王者の戦い方は、実に意義深い。
ダノンシャークが初重賞制覇を果たし、年末にはサンカルロが阪神カップ連覇。
ここ数年の傾向に倣い、一定以上の経験を積んだ古馬が充実期にあることを示した。
しかし、放し飼い状態だったゴッドの復帰後は、新興勢力がことごとくおもちゃにされてしまった。
トウケイヘイローやダイワマッジョーレが出現するも、大勢は変わらず。
夏は夏で盛り上がった。
先行タイプのハクサンムーンとフォーエバーマークがスプリンターズSまで出て来てレースを盛り上げた。
パドトロワの復活、ツルマルレオンの激走とリタイアなど事件なサマーシリーズだったが、最終戦でロードカナロア敗れる、というセンセーショナルな一場面を演出したハクサンムーンの快走に、ファンは胸のすくような思いを共感した。
一強でも役者の多かったスプリント戦線とは対照的に、マイルの特にGⅠ2戦は他流試合といった趣に。
ロードカナロアとトーセンラー。
ショウナンマイティとダークシャドウ。
そして、ダノンシャーク。彼が脇役では、マイラーに出番なしも頷ける。
トーセンラーがチャンピオンになった理由は二つ。
本質的に向いていた。
ライバルの上昇力がGⅠに挑むにはあと一歩足らなかった。
全てうまくいったのも確かだが、必然の流れにも思えてしまう。来年こそは…。