古馬王道路線回顧
短距離にはロードカナロアがいて、3つのタイトルを持っていった。
3歳戦線では、日本で活躍したサンデー系とロベルト系の組み合わせからチャンピオンホースが現れ、その他も2歳チャンピオンとディープ産駒が穴埋めすることで、GⅠ格の面目を保った。
ダート路線は、相変わらずタレント揃いで不変のハイレベル。
一方、凱旋門賞一本狙いだった今年のチャンピオン路線の風潮は、連続性に強さの根拠を示せるこの路線の本質の変容を示し、その存在意義も揺らいでいるという印象を残した。
年度代表馬が短距離型なのがいけないのではなく、日本馬が中距離路線で世界に伍して戦えることを示してきた結果、国内戦の空洞化を招いたのがよくない。
勝った馬は強い。でも2着馬も強かったのは、天皇賞の2頭だけ。その価値は、今も昔も変わらないということか。
天皇賞春・秋
同期なのに直接対決は2度だけ。全く違う道を歩んだ2頭は、こちらも同期のチャンピオンホースからいとも簡単にタイトルを奪取した。負かした相手は直後に得意条件で巻き返し、彼らの走りが本物であることは証明された。
宝塚記念・ジャパンカップ
その上記の大楽勝の原因を作ってしまった人気馬。
多くの支持に応えるべく、色々と乗り方を含めた馬に対するアプローチを熟考し、密着生活だったり乗り替わりであったりと策を巡らせ、結果を出した。その底力は歴代屈指のものだ。
そして、伝説の有馬記念。
帰国後の不調を嘲笑うかが如き引退レースの圧勝。やっぱりオルフェーヴル…、という結論が一番しっくりくる。
来年のヒーロー候補は、現在休養中。だから、日本馬は驚異となり得るのだ。