ストームキャットが来た
数年前、エイシンの2頭が立て続けにマイルCSで主役となり、昨年はアユサンやキズナに加え、2013年度代表馬ロードカナロアと母父ストームキャットトリオが各路線の中心レースを制し、またアジアエクスプレスが直系としてマイルという距離に対する絶対的な強さを示した。
このストームキャット現象を、今更ながら考察してみた。
普通に回ってこれたらという意味で1番人気に推され、それでも結果を残した牡馬2頭に着目してみると、ロードカナロアの中に入っているストームキャットが本来の性質を示しているように思う。
気難しさを秘めるスピード型で、ビッグレースのタフな展開を好む。安田記念はレコードに0.2差の決着だった。
そういう意味では、キズナなどは叔父の強烈さを継承しつつ、姉のような確実性のある伸び脚で相手をねじ伏せる性質も併せ持つから、必ずしも重要な役割を果たしているわけではない。
アジアエクスプレスはダート向きの脚力で初コースやゴール前の急坂をこなし、楽勝のゴールに繋げた点にらしさの一端を覗かせた。
2歳で巨体を活かし、”先駆者”ゴスホークケンと同じく、普通じゃない能力発揮を可能にしたと言える。
これこそスピード型の本質だろう。
総合的な観点でいけば、アユサンがらしさを見せた。
時計を要する急坂のある春の芝で、ヨーロピアンタイプに向きそうな競馬を、ダート血統を内包する馬が掲示板を占めた。
芝の極端な高速決着に向く血統ではない。
結局、ダート的持続力勝負が芝のGⅠで増加している証拠ではないだろうか。
日本のメインステージで、この手の血統が主役を張る、そのサインかもしれない。