2014年期待馬⑤
ゴールドシップ
フェノーメノ
ステイゴールド産駒は孤高の存在となった時、底なしの破壊力を体現する。でも、その後どこかでミソもつく。
ゴールドシップが、何とか持ち直してくれた有馬記念。
騎手が注文をつけたところでそれに応えてくれるような、移り気な性質の持ち主じゃないから、内田騎手に手が戻る可能性はわずかながら残っている。
馬の好き嫌いがはっきりしていて、たまに走らなくなるのも判る。ただ、人間側が走らせそうとし過ぎている点は、大変気掛かり。
馬の心を傷つけてしまっては、何の意味もない。
オルフェの場合、最後には己を主張することを人間側に受け入れさせた。自然体がよい。
復活の待たれるフェノーメノ。彼は、案外ステイゴールドらしくない。
時計勝負を好む東京巧者で、本質は長距離に向くタイプではない。母の父はデインヒル。
そのため、春はステップアップのための準備期間となる。本当に獲りたいのは、秋の東京のビックタイトルだろう。無理なく調整したい。
さて、この2頭は天皇賞に出てこられるのだろうか。
キズナが勝ち気で挑んでくるとも思えないし、エピファネイアが距離を理由に香港遠征を念頭に置いている節があるから、今年も波乱のパターンだ。
一方、このステイゴールド産駒の同級生2頭は、得意条件に臨み、一定以上のモチベーションを持っているとしっかり走る。
対抗馬というスタンスで挑めるならば、彼らの底力は最大限発揮されるだろう。
走る気にさせたいと気負わずにいれば、ステイゴールドの仔は自ずと走ってくれる。
希望はしても、無理に実現してもらわなくてもいい夢。クラシックと古馬GⅠは違う。