血視点④ メイショウマンボ
スズカマンボ×グラスワンダー。
春の天皇賞勝ちやグランプリ三連覇など、誰でもできるわけではない実績を残した名中距離馬同士のカップリングで、オークスの好時計勝ちにも納得はいく。
距離延長に融通の利く点も似ている同士の配合は、また似たような血統構成同士の配合でもある。
ヘイルトゥリーズン
ミスタープロスぺクター
ニジンスキー
それぞれに4代目以降のクロスを有し、加えて双方共通のノーザンダンサーの血が2本ずつ計4本の継続クロスが掛かっていて、レイズアネイティヴの連続的なインブリードも施されている。
大種牡馬の強くはないクロスを幾重にも重ねているのが特徴的。
同期のエピファネイアと血統構成の点で酷似しているが、彼の場合は、たまたまいい相手が同系であったというだけで、父と母父ともリボーという底力補強の鋼材も配合されているメイショウマンボの方が、より作為的なインブリードであることを感じさせる。
母系は、大昔にダイコーター(菊花賞馬)を出した在来牝系のダイアンケーを牝祖とする渋すぎる系統で、決して活躍馬が多い一族ではない。母は未勝利馬。
母母父がジェイドロバリーで比較的柔軟性を持ち合わせるが、祖母が母父ミルジョージにも関わらず、西の4歳牝馬特別で2着するなど芝の短距離で活躍。
その奥はドイツ血統のような重厚な系統が居並ぶ構成も、鈍重過ぎないが、現代の時計勝負に向く性質は持ち合わせない。
1400の重賞を勝ち切った潜在的なスピード能力は祖母から受け継いだと考られる。
穴でこその魅力も含め、父の血をしっかりと継承していることに愛着が生まれるのも自然な流れだ。