古馬GⅠ総括
帝王賞までのダート路線の主役は、コパノリッキー・ホッコータルマエ・ワンダーアキュートの3頭だった。
川崎記念を順当に勝ったタルマエにとって、フェブラリーSでの最大の誤算は、リッキーのポテンシャルが想像以上であったこと。勝てるはずの競馬を落としたことで、ドバイ遠征も士気は上がらず。
代わって台頭したそのリッキーも、返す刀で何故か2番人気に落ち着いたかしわ記念を楽勝するものの、そのせいで断然人気に推された帝王賞では、そのかしわ記念で断然人気だったアキュートに一矢報われてしまい、また路線は混沌としてきた。
キャリアがあまりに違うから、この結果も当然だったか。しかし、この3者は実にあっぱれである。
短距離戦線のキーワードは、特殊な馬場への対応力。
雨に苦しんだ高松宮記念の期待馬・ストレイトガールは、Vマイルでも3着。一方で、馬場を味方につけたコパノリチャードとヴィルシーナは、その勝利の前後で結果を残し、存在感を示した。文句なしのGⅠ馬だ。
苦しみの中に新たな可能性を示したジャスタウェイにとって、あの泥田のような極悪馬場は、アンジュエーションを克服するための試金石だったように思う。
タイキシャトルもそうだった。志は高くいきたい。
ステイゴールドと5歳馬。GⅠ連覇や連勝を可能とする一番の理由は、成長力とクラシックの反動の克服。違う5歳馬で各々大勝負を挑むも…。
世界最高水準のチャンピオン競走だが、あのダービーとオークスの経験者で、かつその次戦で結果を残した者が、今最大級の賛辞を受けている。
ちょうど10年前のクラシック組と似たような傾向だ。まだまだ先はある。