脇役の血統
ヘイロー-サンデーサイレンス系
ヘイルトゥリーズン系で括れば、ロベルトがいるからメジャーではないにせよ、世界中どこででもこの系統は走っている。
ただ、各国のリーディングサイヤーはほとんどがヘイルトゥリーズン系ではないから、それに伴ってチャンピオン級も育ちにくい。
無論、日本を除いて。
軽い馬場のスローペースにジャストフィットする系統は少ない。
いくら瞬発力勝負になりやすくても、直線で11秒台のラップを連発しなければ勝負にならない競馬など日本以外では見られない。
その中でも、サンデーサイレンスの遺伝子は、異様なまでに高速化した今の日本競馬に恐ろしいほどにジャストフィットしている。
日本での活躍を今更振り返るまでもないが、あまりにも直系が発展しすぎている。
ならば、海外ではどうだろうか。
南半球で、タヤスツヨシやフジキセキの産駒が活躍していたこともあったが、英1000ギニ-馬ナタゴラの誕生で可能性が見出された。
たしか、凱旋門賞レコードでデインドリームが圧勝した日に、2歳GⅠを同じくレコード勝ちしたのがハットトリックの仔だった。
面白いデータがある。
過去2分22秒台の時計が3回記録されているジャパンカップで、レコードと1秒以内での決着となったレースを勝ったサンデーサイレンス系の馬はいない。
底力不足と距離不適が原因。
真のチャンピオン血統ならば、とっくに欧州主要タイトルはいくつか制しているはず。
凱旋門賞を勝つために、スタミナを調教によって増強しようなどと日本式に固執していてはならない。
そんな手は、ロンシャンでは通用しない。
本質で勝負する時。それが今年である。