新馬回顧 6/30・7/1
新馬戦が8レース。夏本番である。
土曜中京は、エルノルテが断然人気にきっちり応えたが、クロフネとシンボリクリスエスというパワー型血統の台頭にびっくり。1200だと違うのだろうが。
福島は過剰人気の原因が騎手にあった1000M戦。ジャリーヴには今後気楽に走ってもらいたい。
代わってハナの差を競った2頭は、少々渋い血統なので様子見。
函館は2歳S候補の登場。
勝ったバクシンオー産駒のビービーブレインは、相手が軽かった割に最後まで追われていたが、差を縮められることなく逃げ切った。
仕上がり早も底力のありそうな血統構成で、まだ伸びそう。
日曜は5レース。
中京の1600戦は一騎打ち。人気のリラヴァティは完成度でも出来に関してもマイネルメリエンダには及ばずの競馬。時計は遅く、お互い次戦がとても大切。力はあるとは思う。
1400戦の方はワンサイドゲーム。コウエイタケルが好位抜け出しから快勝。血統より冠名重視。どこかしかの2歳Sで注目。
福島1800では、人気の良血パシフィックギャルが、先週の芦毛を思い起こさせる内容で力の差を見せつけた。アメリカ血統の割にモサモサししてしまったのは体を持て余しているせいもある。大事に育てたい。
1200はアメリカ血統というよりダート種牡馬同士の決着。福島は他コースよりダート配合の馬は走る。
函館は1200のレコード決着。
バゴ×ステイゴールドという、摩訶不思議な配合馬クリスマスの逃走劇は完璧。狂気をはらむ血統構成から人気に関係なく心理状態を読み解くことに重きを置くべき才能とみる。
今週は素直にその走りを評価できる馬は少なかったように思う。
宝塚記念<裏>回顧
悪いことを思いついたので記しておく。
まず、
「良馬場なのに、2:13.2」
ヒシミラクルでさえ12秒台で駆けていたので、ちょっと特殊すぎる馬場。
一応、無事なら少なくとも1頭はこの中から凱旋門賞に挑んでいく馬がいるわけだから、ちょっと気になる。
11秒台が当たり前の21世紀の宝塚記念。
流石に馬場差はあっても、似たような荒れ馬場を10秒台で駆け抜けたオルフェーヴルと比べ、完璧さの点で物足りなさを感じる。
でも、ゴールドシップはレースを登録していない。これじゃ負けた時に文句言えないし。行きなさいっ!
あと、ジェンティルドンナ。
ローテーションは完全に凱旋門賞に向けてのものだから、それはいいのだが、正直この時期に完全に仕上げても十分再調整できるのに、何故こんなに間隔を空けてまでここを使ったのか?
そんな勝負をしていると勝ち運が逃げると思うのだが。
第一、これは思惑通りのスケジュールだったわけだから、10kg増こそ問題ないが、休み明けの気配も少しあった馬の出来に、少々ケチをつけておきたい。
「何を勝ちたいんだ?」
パリに行くなら、アスコットのレースを目指しても悪くないのだが…。
フェノーメノはパワー負けだから仕方ないとして、トーセンラーはちょっと意気込みすぎだったろうと思う。
京都が得意なのだから、急坂はダメなわけで、マークする馬がいっぱいいるのに番手を目指すというのは、明らかに戦略ミス。
結果そうはならなかったが、馬場を考えたらシルポートを4角手前で潰しに行くとか、ツルマルボーイ的追い込みに勝負をかけるとか…。
馬券を外したから、愚痴ってみました。イライラ。
新馬回顧 6/21・22
土曜日
ユタカマークの展開も、馬場適性の方が重要だった阪神戦。人気薄激走のクリノジュロウジンはギムレット産駒。1200どうこうより時計を要する馬場が合いそうな牝系の血統構成。混戦で台頭の色合いが強く、負け組ももっとパワーアップできないときつい。
東京も人気のレヴアップスピンが逃げる展開。6月にハイペースはあり得ない。ただ、馬体重以上に小さく見える体つきはあまりに幼く、残念ながら非力さの方が見立っていた。それにわずか2kg及ばないヘルスウォールの仔マーブルカテドラルの末が素晴らしかったから、また切ない。パンパンの方がよさそう。でもまだ梅雨時だし、今週もやってきたマツリダゴッホ産駒ともども、上位3頭はマークが必要だ。
日曜日
東は、クラシックではあまり見かけない、ブロードブラッシュ×マジェスティックライトという配合の母を持つマイネグラティアが豪脚一閃。ゴールドティアラが母である人気のドリームティアラの万全の抜け出しを見事に捉えきった。全体の時計も上がりも掛かっていて、どうもダートの匂いが…。季節が変わって、どこまで芝でやれるか?
西は注目の一戦。こちらもネオの産駒が勝利。ピオネロの末脚は、馬場もあるだろうがここでは迫力が違った。母父キャンディストライプスで母方に南米の風が吹き込んだ地味目の配合は、ペルーサに通ずるところがある。うまく育てていきたい好素材。
レッドラヴィータは兄同様使ってから。マウンテンは大きすぎ。人気のヴァンクウィッシュは現状のベストの策。未勝利でもたもたすると出世に響く。
北は、函館2歳S以降も楽しめる馬の登場を待ちたいところだ。
新馬回顧 6/15・16
土曜 東京ダ1400
血統に見どころのあったレース。
1番人気に推されたシャークベイは、フジキセキ×ワイルドアゲインで、いかにもの完成度を見せつけた。牡馬とは言え重厚さで勝負するタイプではなく、人気に応えた競馬だったと思う。ただ、これを差し切ったフレンチデピュティ産駒のアンズチャンの末脚は圧巻。
終い3Fを36.1でまとめた内容もさることながら、スティンガーの一族ということもあって、狂気をはらんだ危険な匂いも漂わせていた。午後一にこの競馬。実に快い昼下がりであった。
日曜 阪神芝1400
人気していたカメハメハ×サンデーの良血デリッツァリモーネが消えると怖い予感のあった少頭数のレースではあったが、案の定差し不発。こういう馬は9月デビューくらいの方が合うと思うが。カメハメハ産駒で極端な早熟馬はいない。
とは言っても、勝ったヤマニンアリエッタは人気になってたのが不思議なほどの重厚な配合。6月の新馬でロベルトとサドラーの入った馬が勝ち上がるとは思えなかったが、山内厩舎のブラント効果かきっちりゴール前抜け出した。ベストの距離だったか。クラシックを狙うならオーバーフォールを図りたいところ。その他は非力さが目立ち、1番人気以外は成長次第。
日曜 東京芝1600
重馬場以上の重。39秒台では遅すぎる。オーシャンエイプスの下で、ゴールデンキャストの甥。新馬で買うのはいいのだろうが、その後を考えると…。上がりが36秒台だったから、というのはあるか。道中は結構渋かった。案外時計が掛かった方が味の出る系統なので、まあ過剰に評価しなければ…。西に同じく、その他はまだ力不足の印象。
新馬回顧 6/8・9
土曜のレースは人気順での決着に。
時系列順に、阪神では名手二人が人気馬を駆って直線は一騎打ちという展開。
一見、距離不適のフレンチ×SSとカメハメハ×SWの良血対決だった、これには牝馬の完成度が影響していそう。
内に押し込め抵抗したヤスも、マラムデールの才能には及ばなかった。勝ち馬は今後注目。
東では、フルゲートのレースで人気馬が対照的な競馬。マツリダゴッホ産駒のマイネルギャルソンは、冠名からいかにもという完成度の高さを見せ快勝。
レッドラウディーの好位付け断念、直線イン強襲の不発具合とは一線を画す内容だった。将来的には逆転もあるだろうが、さてさて。
一転して波乱となった日曜日。
阪神では、人気の良血馬が見事に飛ぶ結果に。
コース取りもあるが、まだこの時期で馬込みから抜け出すような芸当を求めるのは酷というもの。
勝ったタニノギムレット産駒のダンツキャノンは、数々の活躍馬が出たワールドハヤブサ-ミスオーハヤブサの系統。
奥手にも見えるが、人気薄でこその在来血統ということか。時計通りの実力だと思われる。
東京1800を今やってどうするというような荒れ方だった17頭立ての一戦は、ディープがいなくても兄貴がいると、ブラックタイドの仔が1、3着。
マイネルブランドのワンツーで、完成度云々ということだろうが、直線まともに走れなかったウインマーレライは、ボールドルーラー2本で本質はもっと前からの競馬の方が合うと思うが…。
この1、2着馬も、明らかに成長曲線に差がありそうだ。
今週は牡馬が意地を見せて、なかなかに見どころもあった。