新馬回顧 2/22・23・24
今週も変則開催。
土曜はダート戦のみ。
京都はハーツクライ産駒のワンツー。1番人気に応えたタマモユウトウセイの鋭い伸び脚は魅力的。どういう成長を見せるか注視したい。
東京では、ダート向きの血統にサンデーの血が入ったいかにもこの競馬場向きの配合馬が上位独占。近親に活躍馬も多いワイルドダラーは、500kgを超えてもモタモタせず走れれば上でも活躍できる。
日曜は一変、3場で芝の中距離戦を開催。
東京は波乱。00年代中期に競馬界の中心にいた馬の産駒が上位を占めたが、勝ったウンプテンプの瞬発力は人気勢とはまるで違った。メイショウサムソン産駒。いかにもスローの展開に向くサドラーズウェルズのクロスを持つ。
京都では、上村騎手の引退の花道を飾るに相応しい内容で、1番人気のアドマイヤヤングが圧勝。この条件がベストだろうという配合に、もうひと絞りの印象を忘れさせてしまうほどの結果は、ただただ力の違いというより他ない。いい馬だ。
小倉2000は超スロー。一気の末脚でマハロチケットが少頭数の混戦を制した。ちなみに、この日東京の新馬で2着したヘイジームーンとはいとこ同士。ディープの出た牝系で、この結果も納得できる。
先週日曜分が行われた月曜は、ダートも芝もブノワ。
ロブロイ×タイキシャトルの藤沢血統がダ1600で穴をあけたが、社台もタイキも何にも関係ない牧場出身で本間厩舎の馬。ある意味興味深い。
芝1800戦は、人気の藤沢厩舎のディープが最後は素晴らしい脚で抜け出した。このレッドソレイユは、この厩舎では馴染みのアグネスデジタルの一族でその甥にあたる。厩舎の一番馬になれるかも。
新馬回顧 2/15・16
ぐちゃぐちゃな4日間のスタートは、1時間繰り下げとなった京都のダート戦から。
勝ち時計1:52.2。2着馬に2秒1差。
直線は突き放す一方だった、サクセスブロッケンの全弟グローリー。この日手綱が冴えわたった岩田騎手を背に、比較的過小評価だった世間評を嘲笑う圧勝劇であった。じっくり育てたい。
日曜日の芝2戦は、2場とも晴天の下発走。人気馬がきっちり結果を出した
小倉1800戦快勝のエイシンフランキーは、ベストクルーズの全弟。兄弟で初めて新馬勝ちを決めたが、芝・ダ兼用の種牡馬をつけても芝専門に出る傾向から、500kgの好馬体を持続力勝負に持ち込んでいくスタイルに落ち着くだろう。
京都でも、人気のディープ産駒プリモンディアルが逃げ切り勝ち。牝馬なので重が堪えても不思議ではなかったが、そこはフサイチコンコルドの一族。馬場が前日より回復したこともプラスだったろうが、底力で後続を封じた。
月曜日は、先週日曜分の代替開催。
不良のダート1400は高速決着。マルクプレンヌが終い36.0の末脚で前を捉え快勝。時折大物を送り込むセレタ系出身で、大柄ではないシンボリクリスエスの牝馬ならこの決め手を信用してもいいかもしれない。
一方、翌火曜日の同条件の競馬は、人気の関西馬がきっちり走って平穏な決着に。500kg超の馬体を持て余しているようなスケールの大きな走りで新馬戦を制したフローズンロープは、いかにもこういう重馬場向くデピュティミニスター系のオーサムアゲイン産駒。パワフルなタイプだから、パサパサ馬場でも問題なしだろう。
ここは関係者の尽力をただただ称えたい。お疲れさん。
新馬回顧 2/8・9・10
土曜は西の2場で1つずつ。
小倉1200(稍)を制したのは、スリープレスナイトの仔ブロンシェダーム。母の全盛期より100kgも少ない馬体が2番人気に止まった理由だろうが、まずは2勝目を目指して有意義な時間の使い方をしてほしい。
京都では、2000M戦が無事開催された。雪の残るみぞれ模様の渋馬場を、上位人気の2頭が抜け出す格好でゴール。先着したのは、乗れている川田騎手鞍上の1番人気ダイシンサンダー。父はアドマイヤムーンで、母がサンタルチアーナから分岐した同士の同族配合と凝った作り。父同様大きく育ってほしいものだ。
日曜は京都で2鞍。
重のダート戦は、笠松の尾島騎手騎乗キネオキャノンがゴール前抜け出して快勝。ストラヴィンスキーの仔で祖母はプライムステージという良血馬。
芝の1600は、稍重に回復も道悪模様。人気勢で唯一見せ場を作ったアドマイヤアースが、珍名スター候補ウチノウマサイコーをゴール前で豪快に捉えデビューウイン。カメハメハ産駒とゴールドアリュールの子供で決まったから、馬場の影響は少なからずあったと見るべきだ。
月曜は、土曜東京分のマイル2鞍を施行。
不良のダートは、トーアコナユキが穴快走。クロフネの牝駒。1番人気もクロフネ産駒だったが7着。
芝は稍重止まりも波乱。2番手から追走から後続の追撃を凌ぎ切ったシングンジョーカーは、兄が3勝のシングンレジェンド。父シングンオペラはオペラハウス産駒で、船橋所属のままクラシック出走を目論んだ後に中央転入。500万の身ながらアルゼンチン共和国杯でトウカイオーザの3着に入った異色の存在。兄弟で一番出世しそう。
新馬回顧 2/1・2
今週は4鞍。1場1日1レース。
もうそろそろお終いという流れにもなってきた。
春が来れば、もう2歳の良血馬が話題の中心になる。
土曜日
京都ダート1800戦は、稍重ということもあって逃げ切りが決まったが、すんなりとは収まらず。
ブラックタイドの女馬ウォーターフレアーが渋とさを発揮して押し切ったが、その後ろにいた1、2番人気馬の消えるような流れではなかったので、評価は難しい。
東京は芝の1800戦。
人気のカレンリスベットが、直線堂々と抜け出し人気に応えた。
マンハッタンカフェ産駒の牝馬で、また馬格もあるほうだから、チームアパパネの再来という意味でも魅力的な存在に育ってもらいたい。
この世代、最後はやはり牝馬に収束する流れのようだ。
日曜日
東京のダート1400を勝ち上がったのは、2番人気の良血馬。あのエスポワールシチーの全弟プレジールシチーが、無難な好位抜け出し策で初陣を飾った。兄は夏まで芝を使っていたから、もちろんこの時点で距離への耐性や、また能力値そのものも測りかねる部分はあるものの、十分上を目指せる力は持っていそうだ。
1番人気のサーストンコラルドは、勝ち馬の後ろ回ってきたのだが、直線伸びを欠き8着だった。
京都でも、人気のトーセンマタコイヤ(父ディープインパクト)がゴール前きっちり抜け出し、関東馬ながら強い競馬を見せた。
それほど距離延長は歓迎とは言えない牝系の血統構成だが、中距離の差し脚勝負に向いているのは確かだろう。時計の2分3秒0に関しては、流石に雨の影響もあるだろうから及第点以上の評価を与えたい。
ダート戦も多く、大器晩成型の発掘が今は楽しい。
新馬回顧 1/25・26
土曜は東西1戦ずつ。
京都ダート1400を逃げ切ったワンダーハイーニャは、曾祖母に桜花賞馬のアチーブスターを持つ渋めの在来牝系出身。彼女の走っていた頃、3歳牝馬が秋に目指すレースはビクトリアCであった。ハイーニャは恐らくダート専門。
ドスローの中山2000は大接戦に。スペシャルウィーク産駒のキネオワールドが、1番人気のダイワブレスをハナ差封じる結果となった。
が、2分8秒台の決着では力差も何もわからない。どちらも前で勝負するタイプか。スケールアップしたい。
日曜中山はダート戦2つ。
牝馬のスプリント戦は、1番人気のキャレモンショコラが決め手の差を見せつける格好で抜け出し快勝した。ノーザンダンサーの母ナタルマを5代母に持つバクシンオー産駒の良血馬。活躍も見込めそう。
1800戦は、渋い伸び脚で坂上で先頭に立った2番人気の大型馬アドマイヤダリアが勝ち上がり。フジキセキの産駒だが、牝系は幾分重めのヨーロッパ配合。こういうタイプは、ダートの重賞となると苦しくなるが、どう育つだろうか。
京都は1800は、活躍馬の下がポツポツといる粒ぞろいの一戦。2番人気のディープ産駒・トップアートがキュールエラピスの猛追を凌ぎ切った。姉にワンカラットを持つが、どうも距離延長では怪しい感じはある。一瞬の脚で勝負するタイプ。
キュールエラピスは次戦人気するだろうが、チチカステナンゴ産駒の末脚は狂気的なところがあるから取捨は難しい。
中京は、アラフジの豪脚が際立っていたが、追い込みタイプとは限らない。出来れば中団からだろう。フジキセキ牝駒。その活力にいささかの衰えも感じさせない。