予想、回顧、コラム

血統を語る、競馬予想ブログ「ぶらっと競馬場まで」

社台の目指すべき道

読了までの目安時間:約 2分

 

SS系牝馬は競争原理の最前線において、選別を続ければ優秀な血は簡単に残していけるだろう。
直系種牡馬はより厳しいその生存競争に晒されていくわけだから、こちらも爆発的な増加は考えにくい。
 
主流系統は、自然に身を委ねれば答えは出る。
 
ただ、配合相手となる他系統の未来は明るくはない。
もはや、直系存続は叶わないマックやテイオーのような21世紀でも通用する土着の系統を作るには工夫がいる。
淘汰の基準を貴重さによって、篩の目を調整することが望ましい。
 
天皇賞へのこだわりと執念が生んだ芦毛の顕彰馬と、オークス馬の姉ではなく妹のトウカイナチュラルから生まれた四冠馬。
 
理屈を言えば理想論になるのが馬産の常識。
傍流の含まれる繁殖馬を輸入し、次の代にでも使える南半球や独の血の入った馬との交配を続けていけば答えは出るはずだ。
 
今のまま最善策の現状維持を基本理念に競馬事業を続けていては、サンデーの血が残せなくなる。
徐々に、リスキーな方策へシフトチェンジすべき時がやってきた。非常識への挑戦。
 
牝駒の育成、競走、生産の管理手法は巨大組織として十分末端にまで声が行き届いており、一貫性がある。
無理をさせてはいけないことを十二分に心得ている。
 
下地はできている。後は、日本に合う血統を作るだけ。
そのためには、競馬サークル内との連携も密に図る必要がある。
 
勝利至上主義に走りやすい商売であるから、今ある驕りの部分をいかに排除していくか。
課題は単純でも、目標達成は実に困難である。
勝たなくても、未来を切り開くために必要な血であれば、それを残す努力をする。
 
競馬界を牽引する者の責務である。
 

 

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社台血統の開発

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サンデーサイレンス牝馬と配合できる非ヘイルトゥリーズン系種牡馬が欲しい。

もしそれが見つかれば、日本競馬全体が革命となり、良血馬の輸出という野望も夢ではなくなる。
SS直系の発展は順調だが、牝系に入ると相手となる種牡馬の質が今ひとつで、あまりパッとしない。

優秀な牝系出身の繁殖牝馬が少なく、真の良血と呼べるようなサラブレッドを作り出せなかった20世紀。
輸入計画を粘り強く敢行し、日本馬の血統も世界最高水準になったが、いい種牡馬というのは簡単には見つからないし作れない。

「宿願」
それを叶えてくれそうな馬はいるのか?
配合相手として期待されているのがエンパイアメーカー(ファピアノ系)で、日本軽種馬協会静内種馬場<略:静内>に繋養されている。
ダンスパートナーの仔は活躍したが、まだ安定して良駒を送り出せていない。

ミスプロ系種牡馬は、内国産もいい馬が多くて徐々に代重ねも進んでいるから、非ミスプロ系のレイズアネイティヴ系の方がいいのだろうが、あまり輸入はされていない。
一応、超大物のワークフォース(キングマンボ系)は社台にいるが。

ナスルーラ系は、ワンペースでダート向きのボールドルーラー系以外がよい。
でも、社台期待のチチカステナンゴ(フォルティノ系)は早世してしまい、バゴ(ブラッシンググルーム系)<静内>くらいしか、本物を出せそうな馬はいない。

まあ、ボールドルーラーは最近頑張っているから、パイロ<ダーレージャパン>なんかも候補だが…。

マイナス材料と未知数との兼ね合い。
キングカメハメハとはあまりマッチしないようだし、輸入の一手に限られる現状がもどかしい。

 

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社台血統の憂鬱

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サンデーサイレンス系の発展の裏で、地味ながらいい仕事をする種牡馬を最近見つからない。

一方、牧場の基礎牝系は世界レベル。
こちらは、輸入繁殖に頼る必要もない。
スカーレットインク、ファンシミン、フォルカー、クイックランチ、ベリアーニ…。
21世紀にGⅠ馬を生みだしたそれぞれの牝系は、サンデーサイレンスの陰に隠れて目立ってはいなかったが、その直仔が表舞台から去ると、GⅠでもその底力を大いに誇示してきた。
時代の変わり目に現れたウオッカも、牝系の優秀さに能力の根拠がある。

社台が盤石なのは、サンデー系種牡馬とこの優秀な牝系を自由自在に取り合わせられるからだ。
その上、サンデー系以外からそれぞれGⅠ馬が出ている。まあ、サンデーの血が入っていないのはフォルカー系のカレンチャンくらいなものだが。

問題は、牝系に代重ねされた種牡馬。中身を覗いてみると、ガーサント、モデルフール、エルセンタウロ、ディクタス…。
ノーザンテースト、トニービンなど大駒を数多く生み出した大種牡馬もいるが、結局牝系に入ることで良さが出る者ばかり。
それが折り重なれば、ボトムラインは無限の拡張を見せる反面、直系は牝駒の活躍に隠れて伸び悩み、いずれ滅びゆく運命を辿る…。

日本の競馬は、多頭数で高速馬場だから競争が厳しすぎて、繁殖能力に多少なりとも悪影響が及んでいる。
直系に弱さがあり、戦績がどうしても不安定になりやい血の導入も消極的になり、安定を求めすぎたせいで負のスパイラルに陥った。

血の一極化を打破することの責任とサンデー一辺倒のジレンマ。

必要とされるものは、主流から傍流へと変化している。

 

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社台血統への不満

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あくまでも、個人的な不満である。
高度な血統図の設計をする責務を果たさなければ、主要生産国のトップブリーダーの名に傷がつく。
「狙いはもっと広く」

何せ、日本のチャンピオン血統なくして、日本馬が欧米の名馬に伍して戦うことはできないのである。
大切な武器なのだ。
自己満足の理想論だが続ける。

サンデーサイレンス系種牡馬の扱いは、常に気を使わねばならない。
仕方なく一つのものに頼りがちな中小生産者とは一線を画した毅然とした態度で、大衆迎合など糞食らえという姿勢を貫き通してもらいたい。

個人的には、マイナーサンデー系は日本に置いておくべきではないと思う。

理由としては、日本にはまだ互換性のある対等な競馬先進国との血統交流がない点。まだまだ輸入偏重である。
牝系のレベルアップは明白で、欧州の特にドイツの世界的名牝系の出身である繁殖牝馬の導入により、真の良血馬の生産に成功している。
でも、ただ買い付けるだけで、流動性を持った輸出入を行わなければ血の行き詰まり現象が起きるのは当然のこと。

種牡馬を輸出し、その国での産駒の成績なり仔馬の出来などから、相性の良さそうな他系統を抜粋し、売却益で購入する。

生命倫理の観点からして、兄弟馬の血統を過剰提供することには配慮が必要である。
それはやっているといっても、今ヴィクトワールピサやディープスカイを売りに出す勇気はないはず。
いらないのではなく、必要なものを厳選すべきなのだ。

社台はもっとこの点を重要視すべきなのである。

負けた馬にも可能性がある。
気付くべき時がきた。
「マックイーンの存在意義」
次は、これを自分で作ればいいのだ。

 

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社台色の闇

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宝塚ビフォア-、アフター。
男は、静かに大敗の競馬を振り返った。
それが本来の岩田康誠なのに、気負い過ぎていた彼は、安田記念後の咆哮を本来の自分の姿だと信じ込みたかったのだろうか。
「俺は、結果を残すからね」
プレッシャーとの戦い。
レース後のインタビューでは、馬を思いやる気持ちに溢れていたのだが。

彼を守ろうとする義務感は、オーナーサイドからは感じ取れない。
小口の馬主を沢山抱え、客商売が最優先であることは大きな組織になれば当然とも思えるが、どういう理由であれ、こんなプレッシャーのかけ方では心が持たない。
配慮不足だ。

欧州タイプは急激な仕掛け、地方競馬出身だと横の動きの強引さが目立つ。
アメリカタイプは直線が長いと早仕掛けになり、中央の騎手は怖気づいたような消極的な仕掛けで勝ちを逃す。

日本の競馬は緩急の差が激しく、距離が延びると特にそのペース判断の難しさに拍車がかかる。
主要タイトル総なめのヤスとて、勝ち気が無用な斜行をもたらす騎乗がまま見られる。
体が反応してしまうのだろうが、この点の実力不足はいい印象を与えない。

ミスを責める必要はないが、理由の見つからない粗雑な騎乗は許されない。
彼自身、己の至らなさに対し忸怩たる思いだろうし、日々避けられぬプレッシャーと向き合っているはずだ。

自信があれば虚勢など必要ない。
彼一人を責めるのは間違っている。

必要なのは、時間を与えること。
いずれ全てを理解し、クリアしていくだろう。

そんな充実の40代を迎えようとする騎手に過度の期待をかけ、もし潰してしまったならば。

人格否定の囁きが、騎乗馬の質に影響してからでは手遅れだ。

 

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