予想、回顧、コラム

血統を語る、競馬予想ブログ「ぶらっと競馬場まで」

函館スプリントS -回顧-

読了までの目安時間:約 3分

 

4角まで見ている限りでは、この展開になることまでは読めなかった。例えそこまで馬券を売っていたとしても、ストレイトガールとスマートオリオンを切ることはなかったはず。しかし、
ストレイトガール前開かず。
スマートオリオン、前にフォーエバーマークがいて出られず。
フォーエバーマーク失速…。

思えば、この馬もひっそりスプリント戦に矛先を向けていた一頭。こんなところでガルボ。この馬の激走に驚かされたのは、今に始まったことではないのだが、走るパターンにハマったのは間違いない。
いかにも、阪神Cで連続2着した馬のらしい競馬だった。

マイルの重賞を勝った馬のワンツー。総合力の問われる時計勝負で、人気も実績もある馬が負ける時というのは、初経験の馬やこういった目先を変えてきた馬が活躍するもの。
ただ、分かってはいても、なかなかこういう風に馬券は押さえられない。

特に、勝ったガルボをどういう理由で買えばよかったのだろうか。
例えば、洋芝実績に目を向けると、
09・7/26 札幌 新馬(芝1800)⑨
  ・8/22  〃  未勝利( 〃 )⑦
11・8/26  〃 キーンランドC ⑪

本格化前の競馬と、休み明けにもかかわらず-18kgでの出走となったキーンランドCをノーカウントにできれば問題なかった。純粋に実績だけなら人気馬と互角なんだからという、ある種の思い込みがあれば買い目には入れられる。
1400は何度も使っていたわけだし、現に結果も出していたのだ。
だからって、ストレイトガールの前に、間違えても2、3番人気の前に来るイメージまではできない。

もしも…。
馬場作りの問題もあるのだろうか。
世界的な傾向となっている高速化。それこそ、エプソムダウンズ以外の主要競馬場がどこもかしこコースレコードもしくは、ワールドレコード級の時計が出る時代だ。
タフで実績が優先されるだけじゃない馬場に、変質してしまったのだろうか。
でも、高速の洋芝というのもまた特殊だから、更にとっつきにくい特徴がある可能性も否定できない。

このレースの20分後に、再びの衝撃を目の当たりにした競馬ファンは、疑うことの意味をもう一度考えさせられるのであった。

 

レース回顧2014 競馬&予想コラム   コメント:0

宝塚記念・穴馬絞り

読了までの目安時間:約 2分

 

今年もGGコンビが出てきて、ウインバリアシオン、メイショウマンボ、またトーセンジョーダンなども出走予定。ただ、各有力馬とも絶好調ではないから、一点突破が可能な競馬にもなりそうだ。

面白いのは、ヴェルデグリーン。
2200Mでは2戦2勝。しかも、それは両方ともGⅡでのものだ。
おまけに、前走と2か月以上間隔があいていると4戦3勝で、晩成型ではあるが新馬戦を勝っている。ダービーウイナーとそれを父に持つオークス馬の娘が、意外なところにツボを持つ重賞馬を生み出した。
89年にフレッシュボイスが休み明けで2着激走した以外で、前走から3か月半以上レースを使っていない馬は全く来ていないが。
これは狙い通りなのか?好走を後押ししてくれそうな最後の要素が、中山記念の5着の実績だ。

ヴィルシーナとデニムアンドルビー。
何となく似ているようで、唯一、GⅠタイトルのあるなしで、その存在価値がまるで違うのはちょっと切ない。
春の天皇賞は別としても、宝塚記念以外では、ほとんどのGⅠで牝馬が隔年で好走している。ここ数年では、特に顕著。
が、グレード制導入後ここで、馬券圏内に入った牝馬は僅か6頭。それらは揃いも揃って、マイルGⅠでの連対実績があった。
ヴィルシーナはある意味狙い目で、マンボもギリギリセーフ。もちろん、三冠牝馬・ジェンティルドンナも例外に漏れず。

このままでは…。5走連続GⅠ出走中のデニム。
92年秋にオグリキャップと同じ4つGⅠを使われた翌春に、ここで2着をしたイクノディクタスがいる。
マイルGⅠ好走の約束手形がない以上、6走連続のGⅠ出走で栄誉を勝ち取りたい。

 

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血視点⑨ ハーツクライ三銃士

読了までの目安時間:約 2分

 

そろそろイジり頃だろう。二アークティックやハイぺリオンの血がクロスしている以外は、全てバラバラ。
故にそそらられる、ハーツクライ。

ヌーヴォレコルト
ノーザンダンサーの血を4本持ち、母はその同系配合。組み合わせこそ違うが、あの三冠牝馬と同じくリファールとダンチヒの血が共通項。
リファールのクロスのあるなしが、オークスでヴィルシーナに大きな差をつけられた理由だと思っていたのだが、それと似た効果をヌレイエフの血が補完したのだろう。マイル向きのイメージも、名牝と大差ないと配合だとすれば、この結果にも納得がいく。

ワンアンドオンリー
一見すると、ヘイロー3×4がポイントのようで、実は、牝系に居並ぶ大種牡馬の影響をバランスよく受け継いだことが底力の根源。
ノーザンダンサーの薄めの継続クロスがバランスを整え、その点でも、エルコンドルパサーとも共通する配合の妙が見て取れる。日本でヘイローの強いクロスが有効なことは、ロジユニヴァースが既に実証済み。
フジキセキ産駒が主役のダービーなら、であろう。

ジャスタウェイ
血統的見地で捉えた場合、「ハイぺリオン」の一語に尽きる。
父父SSに1本、父母父TBには3本。母父ワイルドアゲインはその4×3を持ち、またその父ゲインズバラのクロスを内包している。
また、祖母シャロンにも2本入っていて、シャロンの母父はサンインロー系とハンプトン系だらけ。
ハイぺリオンの継続・多重クロスそのものは珍しくないが、サンデー系でここまで多い馬は珍しい。
これが、不可能を可能にした理由なのか。

血統面からも、その結果は必然と断言できる。

 

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上半期GⅠ後半回顧

読了までの目安時間:約 2分

 

種牡馬の性質を見事に顕在化させた、東京の5連続GⅠ。

負けた印象の方が強く残るディープ産駒。
何と言っても、劇的少女・ハープスター不発の衝撃が強烈。前週まで続いた、世紀の東京マイル2週連続逃げ切り勝ちの気運はどこへやら。
これはハーツクライへの苦手意識ではなく、「100点以上」への問題提起だったのか。
ハープスターとってのオークスは、父が凱旋門賞でプライドをズタズタにされた時と全く同じなのではないのか。
そう信じると、得意のマイルで結果を出した逃走者とは、やっぱ違う何かを見出せる可能性もあり得る。
ヴィクトワールピサに倣い、超えていきたい。

途中から流れをものにしたのは、そのディープを初対戦時に下したハーツクライの傑作たち。
ウインバリアシオンに、父らしさをみた3年前の尋常ならざる環境でのクラシック惜敗ショー。
そのバリアシオンが奇跡的な復活を遂げたことが、この呼び水にでもなったのか。それもジャスタウェイ革命による、連鎖反応の一環だろう。
痛快。100点なんて優に超えていた、頼もしい子供たちだ。

一時期は、ステイゴールドというジョーカーが120点というGⅠ勝利条件の水準を保持していたが、陰ながら、多方面で春の主役を送り込んだのがフジキセキの仔。
ただ、ダービーはともかく、得意とされるマイルのGⅠの産駒最先着馬は、
4-3-7
と意外な結果に。実績十分の馬ばかりが、皆80点くらいの内容。
ダービーを勝てなかった遠因も、この中に潜んでいる気がする。ズレが意外性を生む。

名馬の80点と穴馬の120点が交錯するグランプリステージ。
ただ、乗りかえの時期なのかも。

 

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ああ、夏模様

読了までの目安時間:約 2分

 

大雨の影響は大きく、ジャスタウェイも大分お疲れのようで…。
昔から雨の安田記念は定番。梅雨時の名物競走である。
一応、レース前に雨は上がったが、高松宮記念の時と似た極悪馬場でレースが行われることとなった。
不穏な週末。最後の最後に珍しい出来事もあった。
8日の東京11R(芝1600)と12R(ダ1600)の勝ち時計と、そのレースの1000M通過を見比べてみると、

安田記念
1:36.8<59.1>
三浦特別
1:34.1<57.2> レコード
芝にしては遅いし、ダートとしてかなり強烈なスピード競馬。
歴戦の猛者がバテバテになった直後のこと。雨上がりというのも重要なファクターだったのだろう。
オフシーズンにはよくあるのだが。夏になったのか。

6月が始まると、もう新馬の季節。
欧米並みの早いサイクルで世代交代が行われている生産体系は、賛否の分かれるところ。
が、一番になってからでないと、それが正しいと証明できないのが勝負の世界だ。

第1週目の新馬戦は、チチカステナンゴ、ショウナンカンプ、ダイワメジャーの各産駒がデビュー勝ちを決めた。
もう一戦、ややくたびれ始めた日曜・東京の新馬を制したのはストーミングホーム産駒。
賞金上位の馬を調べてみたところ、ほとんどが平坦・短距離の専門家ばかり。そういう狙いで導入した種牡馬なのだろう。
ただ、先週垂水Sを制したマコトブリジャールは例外。
芝の中距離を主戦場とし、中央場所を中心に勝ち星を重ね、オープンまでのし上がった。本質と可能性の交錯。
雨とは別に、走る気に影響を与える季節になったということか。
なら、もう夏ではないか。気づかなかった。

 

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