予想、回顧、コラム

血統を語る、競馬予想ブログ「ぶらっと競馬場まで」

ダービーで変わる

読了までの目安時間:約 2分

 

イスラボニータは、ダイタクリーヴァ(12着)・ドリームパスポート(3着)といった前例にみる「血統の壁」を乗り越えられるのだろうか。
幻の三冠馬の仔たちは、総じて距離不安というよりは、詰めの甘さが目立つために、クラシックのような一発勝負の舞台ではなかなか出番がなく、ずっと主役にはなれかった。
が、イスラボニータは歴代の皐月賞馬とも比肩するパフォーマンスで第一冠を奪取した。
時計が少し速くなれば…。距離延長に不安のある馬のために必要な勝ち運。人気を背負う以上、得する何かも欲しい。

こちらも血統がポイント。
「ハーツクライ×タイキシャトル」
奇怪な配合のワンアンドオンリーに託された夢は、ちょっとだけズレた焦点が、ダービー制覇に繋がるかどうかが全て。普通は怪しい。
ただ、ヘイローの3×5でも不良のダービーを勝てたし、同じ3×4を持つ馬がダービー3着後に飛躍を遂げた。
タキオンもステイゴールドも勝てるなら…。
カメハメハも似たような側面はあるが、その筆頭候補は三冠トレーナーが管理している。ステイゴールドの2歳女王も目の上のタンコブだ。
「1着」を信じたい。

大久保洋吉調教師と厩舎所属の吉田豊騎手との絆は、今や廃れつつある師弟制度の産物。
メジロ、シンボリクリスエス、吉田豊の組み合わせに、3歳より古馬、ダービーよりオークスのイメージが先行するのは致し方ないが、ミラクルな豪脚で制した青葉賞親子制覇の勢いは凄い。
父末吉師から受け継いだメジロの血を管理する資格。
愛弟子が乗って勝つことで、最高の餞別を受け取れたなら、小説など本当に面白くなくなる。

不遇な男達に幸あれ。

 

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血視点⑧ ミッキーアイル・ヴィルシーナ

読了までの目安時間:約 2分

 

春のマイルGⅠを制圧するディープ産駒。初制覇した年は、
2011年
桜花賞 安田記念
2013年
ヴィクトリアマイル
2014年
NHKマイルC

桜花賞は初年度から4連覇中。初年度産駒のトーセンラーは5歳でマイルCSを制し、阪神JFもブエナビスタの半妹が勝っているから、完全制覇にもうリーチ。達成すれば史上初だ。
勝ち馬の共通項として、レイズアネイティヴの血かノーザンダンサーのクロスを有しているという点が挙げられるが、それよりは外れの少ない優秀な種牡馬であることの証明というべきだろう。

しかし、2週連続の逃げ切りには驚いた。
内が有利で前残りになりやすい馬場を疾駆した2頭に共通する、ヌレイエフとレイズアネイティヴの血。
加えて、共にヌレイエフの父でレイズアネイティヴの父を母父に持つノーザンダンサーのクロスがなされた配合からは、徹底先行型のイメージは浮かばずとも、スピード型に傾倒した馬が出現は予見可能。

ミッキーアイルの母父は、世界を席巻した今世紀初期の象徴・ロックオブジブラルタル。
組み合わせの妙というよりは、見た目の印象通り。「ディープ的」の象徴だろう。
一方、Vマイル連覇のヴィルシーナは、ミッキーよりはバランスがよく、クラシックでは連続好走したが、晩成型を多く出すマキャヴェリアンやブラッシンググルームの血が、本質を引き出した。
おまけに、ヘイローの3×4×5という執拗なクロスでダメ押し。無骨に勝ちに行く姿は、見事に血統表とリンクしている。

さて、ディープの次なる一手は?
3000が先か、1200が先か。
皐月賞を制した後に、次の扉が開く。

 

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泥かゴミか、ではなく

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「来年のドバイWCはダートでの開催」
今冷静に考えてみると、どっちつかずの馬を救済する側面があったことも否定できなくて、ジャーナリストが的確に批評すればよかっただけのこと。浮かれた連中が多すぎた。

実は、その特殊性の部分を活かして、むしろ地方競馬で棲み分けと救済、それに差別化を図る意味で、流行の言葉を使うと、ダートとハーフハーフの割合で敷設してみたらどうだろうかと思っていたのだが、ドバイで金の話が出てきて尻込み。
タペタは失敗。が、同時にニューポリトラックの否定ではないと、しっかりと発信する力がマスコミには問われる。

その存在意義は、一定程度認められているオールウェザー。
高速馬場と欧州の重馬場では力を発揮できないけど、渋めの芝に向く馬にベストだったのは確か。
2000M不敗のヴィクトワールピサとて、2000Mのベストタイムは2:00.8。
でも、やっぱり米国馬が回避するような事態は本末転倒。これでは芝カテゴリーのイレギュラーマッチにしかなりえない。
芝をオールウェザーに変えた競馬場は、知る限り世界のどこにもないことが、最大の根拠である。

歴史を覆すような革命は、一日にしてならず。ただ、そのナイスアイディアを卑下する発言は、今こそ慎むべきだ。近代競馬が連綿と築いてきた、芝でスタミナを試し、ダートでスピードの限界を測るシステムへの挑戦は続く。
それでも、沈黙の時間が短いに越したことはない。
日々の研究から展開する未来図は、核の問題を劇的に解決する方法を編み出すプロセスに通ずるものがある。昨日のミスより、明日への希望を信じられる人間でありたい。

 

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ノレてる?

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5月に行われたGⅠ3競走を振り返ると、まず、武豊の不発続きに関しては問題なし。
ただし、その乗り方を想像できた部分はあって、例えばスマートレイアーに普通を要求したらどうなるのだろうか、という点だけは誰にもわからなかった。
出遅れた方がいいなんて事前に想像しても仕方ない。前提条件のややこしさも騎手人気に繋がった。
もし、出遅れてもこの結果だったら、また出遅れて届かず…。
皐月賞でも似たようなことがあったが、ウルトラCなど普通決まらない。人気者は辛い。

一方、同期の蛯名騎手はその皐月賞から、
1-1-3-4
と絶好調。みんな走った条件がぴったりだった。
騎乗フォームの変更は物議を醸したが、少なくとも昨年よりは体のブレが小さくなり、安定感が出てきた。好調なのだから当然か。
両者とも、他者が技術論を語る必要はない。

もう一人、幸四郎騎手が好調だ。
テン乗りと主戦の仕事をこなして、ここ3週で悔しいけれど2着2回。
正直、両馬のベストパフォーマンスが、即優勝に直結する条件ではなかったように思うが、ウインバリアシオンは早く動くとダメで、マンボはズブ。
人気馬での好結果。オースミタイクーンが懐かしい。

さて、残念な人も2名いる。
3戦ともディープ産駒で挑んだ浜中俊に、
「サトノノブレスの逃げは普通すぎ」
と、小言を一つ。
アスカクリチャンを途中で行かせるか、もし逃げたかったのなら、もっとテンは行かせてよかったはず。
勝ち馬と0.5差つけられたのは、2度目の下りのひきつけが甘かったから。頑張れ。

あと横山典弘なら、ローブティサージュは殿一気でよかったように思う。流れが悪くなってきたか。

 

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月下美人の追憶

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新・東京で炸裂した父似の豪脚。
「直線が長くなったから」
社台系の良血馬が人気を集めたフローラSは、トーセンリリーが平均ペースをリードするも、最後は追い込み決着。
馬群をついて伸びたサクラローレル産駒のシンコールビーが、タイムウィルテルの追撃を凌いだ。

1200で連続好走後、1400で初勝利。距離を延ばして末を活かそうしたがうまくいかず。
何で走ったのか?オークスでも3着したが、その後は低迷。
もしや理由は。東京のこの2戦だけ434kgだった。

第2回も名牝復活の舞台となったヴィクトリアマイル。
コイウタ激走の伏線は中山に。
鞍上の松岡正海がハナ負けして、ヘルメットを放り投げる2週間前。これも波乱のダービー卿CTでコイウタの長所を掴む2着快走。
本番は中距離実績馬が人気に。東京のマイルなら…。
「もう、余計なことはしません」
2年後の天皇賞でデジャヴを経験する我々は、同時に騎手の進化を見届けた。

父の本当の姿とは。
エリンコートは、母エリンバードということで、初め短い距離から使い出されたが、1月時点で6戦1勝。
それが距離を1800以上に伸ばしてからは、3連勝で一気にオークスまで勝ち切ってしまった。
昔からよく単穴の出るレース。ただ、過去10年で最も単勝支持率の低い勝ち馬でありながら、雨に渋った馬場を逞しい末脚でマイルベストの人気馬を封じ込めた内容は秀逸だった。
「めでたしめでたし」
この時の鞍上は、父のターニングポイントとなった中山記念を制した後藤浩輝。
上手に走れれば。中長距離戦に器用さは必携だ。

春の東京・シンデレラストーリーは、もう次代に引き継がれている。

 

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