予想、回顧、コラム

血統を語る、競馬予想ブログ「ぶらっと競馬場まで」

宝塚記念 -予想-

読了までの目安時間:約 4分

 

地獄のような世界に射した西日。
ご来光の出入射点で呼吸をし、また同時に、結果を残すことの重要性も証明した名牝が、今回の主役であると確信している。

ある少女の写真を眺めていた。ディープインパクトの仔なら、手広く押さえるのも悪くない。
毎年恒例のジコマンPOG馬30選のうちの1頭が、この後、思いもよらぬ大出世を果たす。

同じ頃、姉は気難しさと非力さを露呈し、クラシックを断念。この年からディープ時代は始まる。
桜が咲く頃は、ディープ産駒が活躍する。
その時に違うブームを作った皐月賞馬と、対戦経験のある者同士が今回対決。
フランスの高級ブランドなんざ興味ねえよ、とかすっとぼけていた奴だが、牝馬の時代に最も抗った駿馬でもあった。
「男なんて、そんなもんさ」

ナカヤマフェスタ、凱旋門賞再挑戦は不発。煮ても焼いても食えぬステイゴールドの狂気は、花の都でマエストロにはなれないことの最大要因であると、オルフェの未来を暗示していたのか。
これら全て、福島競馬場が開催不能だった年のエトセトラである。

年が明けた。姉が重賞を勝つより一足早く、牡馬混合のシンザン記念で初重賞制覇を果たしたのが、今回川田騎手を再び迎え入れた彼女だ。
デビュー戦は、京都競馬の中でも指折りの極悪馬場。2着。以降、タフな馬場では何度となく苦しめられることになる。
3月のトライアル4着時は、その苦手な重めの馬場と極度の体調不良の影響もあった。

でも、その後の彼女は威風堂々、完全王者の姿を誇示する。
桜は当たり前のように力で他をねじ伏せ、オークス圧勝、秋華賞も勝負強さを見せ快勝。
極限まで絞りこんだJCでは、「あなたはまっすぐ走れないんですね」と、王者にぐさり。
ディープらしい真面目で強かな気質がよく表れていた。

特別なものを手に入れた時、それが選り取り見取りの推奨品から選んでいた場合の抵抗感。もう手の届かないところに行ってしまったんだな。
それもこれも、桜花賞で違う馬なんかを本命にしたからだ。先日のマーメイドは、あれだけいい流れの中で5着。
全くもう…。今更だが。

古馬になり、ドバイで完敗後は、同期の牡馬連中にもプライドを粉砕された。JCでもまたハナ差。
終焉は近いのか…。
だから尚のこと、京都記念の結果に、愛おしき姫の時代の顔を顧みた。決して、女らしくないわけじゃないだよな。
シーマクラシック圧勝なんて、もはやどうでもいい。

今の彼女は、ハナ差でジャパンカップを勝つことにおいて当代随一のスペシャリストだ。よって、2400Mでは常に世界レベルのパフォーマンスを披露できる。
前年の5月以降に2400MのGⅠで好走している馬が、このレースで10年連続、20年で19回馬券になっている。

もし本質で変わらないものがあるとするならば、それはまた彼女から勇気を得るのに、ここまでの功績を勝って祝う理想形が、今回の主題ではないだろうか。
同時に、これが最後の輝きとなる予感もする。何故なら、今の彼女の目標に、次なる試練などもすでにないからだ。
ジェンティルドンナのイニシャルGは、悲惨な結末となったサムライブルーの永遠のテーマである、「ゴール」を意味するサインなのかもしれない。
「ゴール」ドシップは…、後付けの口実の方が面白い。

 

レース展望2014 重賞レース予想2014   コメント:0

函館スプリントS -予想-

読了までの目安時間:約 4分

 

スプリントチャンピオンこそ回避したものの、洋芝巧者はゴロゴロいる。
・クリスマス
函館2戦2勝<重賞も勝利>
・ストレイトガール
北海道で6勝<昨年4勝>
・スマートオリオン
函館2戦2勝
・フォーエバーマーク
函館3勝<昨年重賞勝利>
・ローブティサージュ
函館1戦1勝
・ヤマニンプチガトー
函館1勝 4戦全連対

重賞好走馬が顔を揃えたが、
「ここを勝って、その次は…」
と、各陣営が同じことを考えているのもある。
おまけに14頭立てだから、間違いなく各馬が力を出せる状況であろうと想像できる。

昨年は、59を背負った1番人気の前年覇者が飛んだものの、パドトロワが一昨年のキーンランドCの勝ち馬だったので、何とか面目は保てた。どう転んでも大波乱は望み薄。
サニングデールやキンシャサノキセキは、軌道に乗った暁に、ここを勝ってGⅠ路線に堂々参戦し、その後出番をモノにした。実力馬はちゃんと走る。

ただ、ショウナンカンプやロードカナロアでさえも負けてしまうレース。季節柄も特殊な馬場の影響もあってか、斤量利もある牝馬が活躍している。
雨がどうなるかはまだ読み切れないが、先週の結果から推定するに、昨年並みの高速決着が想定される。

本格化を果たしたストレイトガールが衆目の軸馬ではあるが、かつて敗れたロードカナロアの二の舞も想像できなくはない。
二匹目のドジョウを狙ったドリームバレンチノや前述のサニングデールもそうなのだが、GⅠで消耗したモノを取り戻す最中での参戦で、見事にボロを出すことはよくある。
また牝馬の56は、その春に欲しかったタイトルを獲ってからでないと、結構堪える可能性も。堂々とは推しにくい。

各世代のタレントが集まったが、クリスマスは特に取捨難解。
転厩がどう出るかわからないし、西の猛獣使い再募集の結果が出るその前週には、少し狙いにくいローテーション。
色々な意味で、丸田騎手にはいい経験になるはずだ。

洋芝巧者を狙っていけば、幾らか時計が掛った方がいいと思われるフォーエバーモアを3番手以下にした時点で、格ではスマートオリオンだけになる。
1200に絞ってから宮記念までは連を外さず、実に安定した結果を残してきた。
こちらこそロードカナロア臭がしなくもないが、昨夏函館のタフな重馬場をこなしたあと、中山の好時計決着では勝ち切れなかったのが、明けて最終的には8秒台の時計でオーシャンSを勝ち切った。
前走は馬場もあるが、連闘後の中2週が敗因であることは想像に難くない。

グラスワンダーの仔とその孫にあたるスクリーンヒーローの産駒が、ポツポツと活躍を見せているが、グラスワンダーが得意とした中距離戦ではなかなか大物が出てこない。長いか短いかはっきりした方がいい。
得意な条件は明確。故に、大崩れは考えにくい。

 

レース展望2014 重賞レース予想2014   コメント:0

エプソムC ―予想―

読了までの目安時間:約 3分

 

今週は、悪いニュースが続いてシュンとしてしまった上に、雨の影響も大分残りそうな状況もあって少しブルーだ。
盛り上がる要素があるとすれば、
「厩舎なじみの血統馬の餞別に、似たような境遇に苦しむ先輩が…」
それがいかに難しいことかは、馬自身が一番理解している。期待しすぎないことにする。

盛り上がっていこうぜ、ニッポン‼の流れを牽引してくれそうな5歳世代の勢いに肖って、ここはフェスティヴタローから。
フェスティヴタローにとって、ここまで唯一の重賞出走歴であるニュージーランドT(11着)を制したのは、そのままGⅠまで勝ち切ったカレンブラックヒル。

毎日王冠まで順調に勝ち星を重ねたが、天皇賞5着を境に、まるで別馬のように変わってしまい、その実績もほこりを被ってしまっていた。今春、その不振を極めたブラックヒルが、初めて重賞を制した中山で復活勝利を挙げた。
春の中山では、ジャスタウェイを筆頭に、フーラブライドや一つ年下のスマートオリオンといった遅れてきた大物が重賞を制し、またブラックヒルのように、巡り合わせやまた怪我の不運も乗り越えたウインバリアシオンが勝って、何かとファンの心を掴むような結果が続いていた。

それを思えば、前走休み明けで凡走しただけの安定株・フェスティヴタローの競走生活など、平穏そのものだ。
派手さこそないが、それでも前々走・初富士Sの内容は素晴らしい。骨っぽい相手にテンからじわっとピッチを上げ、11秒台のラップを刻み続け、最後は坂で脚が鈍ったが、1800らしい後続に脚を使わせる競馬で押し切った。
父よりはテンが速くないから、前回は休み明けの格上がり初戦を自重気味に走って7着。いかにも、カッチーだ。
そんな田中勝春騎手は、かつてアブソリュートに乗り続け、5歳になって東京新聞杯を勝ったことがある。
似ている部分もあったりなかったり。晩年の父ローエングリンには跨っているが、それよりはバランスオブゲームの好敵手という印象が強く、その才能を肌で感じてきた一人。

1800戦に絞って使われ出してから、逃げに転じ、戦績も伴ってきたことを考えれば、ハイピッチで飛ばす馬もいないし、初富士Sの再現も可能だろう。
如何せん、渋すぎる在来牝系出身の上がり馬にとって、これ以上ない馬場コンディションではないかと思う。

中山でジャスタウェイの後塵を拝したグループは、今週も軽視禁物。
秋に色々とあったダークシャドウは、今更、高速馬場がいいなどと非力さを露呈することはないだろう。59でもあるし論拠には乏しいが、昔からリピーターが多いレースなので、そこにかけたい。
マジェスティハーツなど買いたい馬は多数。微々たるプラス収支を期待して、薄めに手広くで。

 

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マーメイドS -予想-

読了までの目安時間:約 2分

 

ハンデ重賞のセオリーでは、トップハンデを疑え、なのだろうが、今のフーラブライドを軽視するのはあまりにも露骨なので、56でも軸に据える。
ヴィクトリアマイルでは、自身最高の上がり3F33.8の脚を使っている。でも、ずっとダートを走ってきた馬だから、明らかに阪神の方が走りやすいはず。

アイムヒアーが出てきたから、まず単騎で行くのだろうが、フーラブライドが中山の時のような混戦ムードを力でねじ伏せる展開に持ち込んだら、先行勢は誰も残れないだろう。差し馬有利。
ディアデラマドレは、前走休み明けながら秋の連勝のイメージが鮮烈だったために1番人気に推されるも、差し負けて2着。
ただ、阪神の2000はコース特性上、追い込みが届きやすい。14頭立て。思い切りのいい藤岡康太騎手には合っている。
こちらも強烈に差してくるシャトーブランシュには、兄佑介騎手が乗る。ここでは重い方の53を背負う兄弟騎手を、展開利から本線に。
前走1000万勝ちの関東の5歳馬2頭も加え、あまり欲張らない方向で。

波乱の芽はある。ミスター軽量の酒井学が、トップハンデの1番人気に跨ることだ。不穏な空気を醸し出す要因なのだろうが、今の彼はGⅠでも主役を張れる馬に乗るトップジョッキーである。

 

重賞レース予想2014   コメント:0

安田記念 -予想-

読了までの目安時間:約 4分

 

このまま断続的に雨が降り続ければ、当日の雨量如何では、数年前にロジユニヴァースが大勝したダービーの時のような、また高松宮記念みたいな田んぼ馬場のような状態も想定される。

いずれにせよ、この馬の人気には影響しないだろうが。乗り替わろうが、まさかの阪神開催に変更となろうが、ジャスタウェイを疑う人間など、もうこの世には存在しない。
雨を疑いはじめのきっかけにして穴狙いをするにしても、不良馬場の東スポ杯でこそ力を出せずに敗れているが、天皇賞に至るまでに挙げたわずか2つの勝ち鞍は、いずれも時計のかかる後継ラップのマイル戦であり、コーナー二つの直線の長いコースでの好走歴だということは見逃せない。

中山記念はもちろんのこと、天皇賞の時もメイダンの芝コースにしても、決して速い時計の出る馬場状態ではなかったわけで、レース時の雨は敗因となるかもしれないが、それごときの理由で凡走するようなひ弱さなど微塵も感じさせない。
むしろ、彼の周りだけは雨粒が落ちてこなかったという名馬伝説の方が、よっぽど現実味がある。

ただし、ハーツクライの仔が1番人気に応え、かつ東京の日本の最高峰GⅠを3連勝するイメージはどうしても湧かない。
ディープが差されるイメージもないが、ハーツクライが差されるイメージも湧かないと、先週ダービートレーナーになった橋口師が、あのレースの前に語ったとされるが、本格化したトニービンの血の入った馬は、自滅や不利でもない限りその通りの戦績を残してきた。
でも、器用じゃないから思ったより下がってしまったときに負けてしまう。
馬場も悪ければ…。

一縷の望みに賭けてみたい。
得意とする後継ラップの展開だったマイルCで完敗した相手である、カレンブラックヒルやクラレントに今更能力で劣るかもしれないという見立てには無理があるだろうが、同期で裏街道から復活を果たしたかつての皐月賞1番人気馬とは、まだダービーでしか対戦していないじゃないか。
ならば、その時10着ながら0.2差先着したグランデッツァには、まだチャンスが残されているかもしれない。

半姉はあの年の桜花賞馬。その年の夏から走り出し、順調にキャリアを重ねていったが、故障馬続出のこの年のダービーで敗退後、重度の屈腱炎を発症。
生き残りは、ゴールドシップ、フェノーメノ、そしてジャスタウェイ…。凄い馬しかいない。

でも、なぜかそれに逆らいたくなるのが人間の性。
嫉妬を爆発させ、それを力に変えられるのは、若いうちに結果を出したカレンブラックヒルではない、もう一方のステーブルメイトという図に、妙に固執したくなった。
もし最強馬が負けるとしたら、こんな理由しか思い当たらない。現実のドラマに、尾ひれ背ひれなど必要ない。
ありのままの物語が、我々に感動をもたらす。

反動さえなければ…。前走都大路Sの内容は、ジャスタウェイにも通ずる完成期の名馬だけが醸し出す圧倒的な征服劇だった。脚質と血統がそのまま反映されたような名馬世代の名馬と元候補。
ここでまた先着してこそ、真の復活と言える。

 

重賞レース予想2014   コメント:0