藤沢ブランド
先日のダービーは残念だったが、3頭を出走させてきた辺り、そこは10年以上リーディングを堅持してきた名伯楽といったところではないだろうか。
桁違いに勝利数の多い大尾形・尾形藤吉調教師の記録に唯一迫れる、平成の御大ともいうべき存在。
神のように崇める人もいれば、その柔らかい語り口に人柄の良さを感じる人もいたりと、恐らく勝負師たる男の本質を知らない者が勝手な印象をかたっているだけのような気がする。
彼は生粋の勝負師だ。
今でこそ当たり前の頻繁な鞍上のスイッチ。90年代一流馬でもそれをしていたのは恐らく彼だけだろう。厩舎の馬の質が、幾分昔ほどのものでないから目立たないが、シンボリクリスエスのJCでのスイッチは、衝撃的だったと語る騎手もいたくらいだ。
でも、癖馬は同じ人に任せる。
あと、ダービーのスクーリングを兼ねた競馬場追い切り。日本の競馬は別にスポ根でなくても勝てることを、独特の調教方法で結果を出すことで証明したのだ。
申し訳ないが、これに賛同できない調教師がいる時点で、日本の競馬サークル内の国際感覚のなさが露見していると思うのだ。
強い稽古は、才能に合わせて必要な場合はあるが、いくらこういう高速競馬に挑むからといって、鍛えて何とかしようという考えは、単なる人間のおごりのような気がしならない。
力がついた馬ならば、それをこなせるが、そうじゃない馬にそれを課すことは自己満足そのものだ。
だからこそ、日本では藤沢和雄以外の調教師をなかなか評価できないのだ。
その輝かしい実績は、競馬の本質を示していると思うのだが、どうだろうか。
宝塚記念<裏>展望
最近、盛り上がりっぱなしの感もある宝塚記念。
そんなことはみんな知っているわけだが、それでも、今年も盛り上がること間違いなし。
ゴールドシップの不発によって単勝支持率に与える影響が少なからず出るだろうが、ステイゴールドのどの馬かはともかく、例え鳴尾記念で世界レコードが出たとしても、出走したGⅠ馬のいずれかが一番人気になるだろう。
まあ、フェノーメノがレースの中心となってその動きによって展開が左右される、1強で波乱含みの一戦と読んでいる者としては、3強プラスワンと見出しに修正を加えて、改めて騒がれる6月末の大一番の買い目について、多少は趣向をこらしたいと思っている。
日本のグランプリレースは、馬にとっては余計な一戦。馬券的妙味に傾注したい。
トランスワープ
パロクサイド系らしい遅すぎる重賞初制覇が話題の?馬。父ファルブラヴに似たドでかい体で、2000重賞を闊歩する。天皇賞は恐らく調子落ちもあっただろうし、日経賞は明らかに適性外の競馬。夏はいいタイプで、鳴尾記念でも注目だ。
ルルーシュ
レコード走の反動以前に、西下の可能性の方が問題の期待馬。東京で走るに越したことはないが、持続力勝負で実績馬に挑みたい。
ダークシャドウ
人気を背負うことはないだろうが、今週のレース内容如何では5番人気はあり得る。
勝つために、またそのきっかけの欲しい馬には、この方向転換は絶対に成功させたい。
今更ながら、酷量を背負ってエプソムカップに出走することもないだろうし、ここはとにかく正念場である。