新馬回顧 9/7・8
土曜
阪神1600
時計は平凡も、決め手勝負ではディープインパクトだろうという展開。
アトムはマイル適性上位で、絶好調の川田騎手が鞍上。鬼に金棒とはこのこと。
阪神1400牝
末脚の目立ったリアルヴィーナスはネオユニヴァース産駒。総合力が完全に一枚上だった。
あとは、この阪神の馬場だが、どうも3月頃の状態に近く簡単には時計が出ないような印象を受ける。
雨の影響もあるだろうが、24秒台の決着に。血統の印象通りいかにも渋った馬場は歓迎という結果で、雨の不安がないのは心強い。
中山1200
ショウナンアチーヴのスタートが…。バブルガムフェローの一族なので…。
ちなみに、逃げ切り楽勝だったフリュクティドールは貴公子テンポイントの分流の出。
血は争えないものだ。
日曜
阪神1200
このレースは、先を見据えてというテーマを持って戦えた人気のツィンクルソードの落ち着き払った競馬に、なかなか走らないツィンクルブライドの子供たちの印象を払拭してくれそうな予感がした。
こういう馬場は得意だろうが、昨日のリアルヴィーナス同様秋の重賞に参戦してくれば、必ず印を回さないといけない存在だろう。
母同様、マイル近辺がぴったりだろう。
中山1600
いくら混戦でも、66秒台で600のポールを通過するマイルの競馬は想定外。上がりもかかって40秒台の決着に。デビッドジュニア産駒のシャインシュラークの末脚は目立ったが、何もわからない。
中山ダ1800
ダート戦らしいタフな展開を粘り込んだ上位2頭は、評価できる。良馬場でこの時計を縮めたい。2着のワイルドコットンの方が出世しそう。
東西格差を感じる秋の開幕週であった。
脇役の血統 マイバブー - メジロマックイーン - トウカイテイオー
マイバブー - メジロマックイーン - トウカイテイオー
日本の至宝。
パーソロン-サクラショウリ-サクラスターオーのラインこそ悲劇に見舞われ、血を今に伝えることできなかったが、2つのドラマチックな系統が21世紀になっても競馬を盛り上げてくれた。
22年前の4月、春秋、東西の相違はあったが親仔3代の天皇賞制覇を達成。<メジロマックイーン>
この12月で20年の節目を迎える、奇跡の復活劇。<トウカイテイオー>
何も、長距離が得意なわけではない。
中距離重賞で長めの方のレースは合うが、力があるから距離をこなせたというべきであろう。
マックイーンは瞬発力勝負が苦手だったから2000近辺では強烈な印象は残せなかったが、同時期に活躍したテイオーはGⅠ勝ちの全てが好時計のものだった。
マイバブー系の種牡馬パーソロンは、中距離戦における決め手勝負を得意とし、牝馬にも活躍馬が多かった。
そんなキレの血統から初期にメジロアサマが誕生し、晩年にシンボリルドルフが登場することで日本のホースマンが本格的に「海外」というものを意識するようになる。
でも、それはもう昔の話。最後の矢、トウカイテイオーも先日天に召された。
トウルビヨン系のみならず、異系と呼ばれるアウトサイダー血統は、競走成績と繁殖能力が比例するとは限らない。
目黒記念を逃げ切った者は入障後アクシデントに見舞われ…、
男馬で唯一の芝のタイトルホース、数少ないダービー出走馬はともに去勢されてしまっていた。
後の祭りなどと言っては、少し言葉が過ぎるか…。
我々は、こんな素晴らしい血統を後世に伝えられなかったことを、すでに後悔している。
2歳馬 夏総括②
札幌2歳S
極悪馬場とはまさにこのこと。
牝馬のワンツーは季節柄驚くことでもなかったが、小さな体の牝馬が見た目も素晴らしい牡馬を相手に、リズムを崩すことなく走り切った点は称賛に値する。
血統の道悪適性もあるが、2着したマイネグレヴィスと最終のとんでもない展開の競馬を制したキングズクエストは同じフロリースカップを牝祖に持つサンマリノ系の出身で、この札幌2歳Sはほとんど在来牝系の継承者が上位独占。
土着血統の底力を目の当たりにし、改めて優秀な血統の定義というものを考えさせられた。
波乱の結果ではなかったのも素晴らしい。平坦適性と持久力を測るレースであった。
すずらん賞
重でも、本質は前日と変わらぬ荒れ馬場。レースは、ダート2戦も人気になったフクノドリームのワンサイドゲーム。ダート血統でタフな条件は得意だろうが、ダートでもこんな時計の掛かる条件はないだろうし、適性が違ったようだ。
小倉2歳S
ドタドタ馬場の中、雨が弱まったとはいえ1:08.8で新馬以上の走りを見せたホウライアキコのポテンシャルは想像以上だった。
直線、ベルカントの通っていた「ライン」から伸ばした末脚は、スプリンターのものではなく、マイル以上でも期待したい。
注目馬メモ
ベルカント
騎手の腕でなんとか粘り込ませた感じもあり、まだこの馬場はこなしきれなかった。重賞級のスプリンター。早熟ではない。
バウンスシャッセ
最下位だったが、牝馬でこの時期に500kg超の体では、この馬場はこなせない。参考外とみたい。
土曜新潟の新馬1、2着馬のミュゼリトルガール、マイネルグリプスは結構楽しめそうな素材だと思う。
新馬回顧 8/31・9/1
今週も土曜は新潟だけ。
暑さの方が心配なほどの晴天の下、この1400戦は4角から一騎打ちの様相に。
人気に応えたディープ産駒のミュゼリトルガールが、夏得意のマーチングソング系・マイネルグリプスを終始抜かせることなく押し切って見せた。
勝ち馬は重対応可だろうが、やはり良の方がよさそう。
後続とは5馬身差。雨対策で馬場を固めていたせいもあるだろうが、時計もまずまず。
この2頭は、楽に2勝できそうだ。
日曜日は、雨を恨めしく思う程の惨状。
時系列順に、函館はダート戦。
水の浮く状態が続く中、混戦ムードではあったがオッズがどういう理由でついているのか疑いたくなるほど人気馬はどこにもおらず、サトノスーペリアの末脚ばかりが目立った。
牝系のアメリカンな血統構成の影響が強くパワフルなダートは合っていそう。
芝は時計に限界があるか?
小倉は、回復途中に雨が降りついに馬場が悪化。
人気の一角シャンパーニュが、自分のリズムを守り通して重馬場らしい逃げ切りを決めた。祖母がファビラスラフィン、父チチカステナンゴ。ロブロイやBTの産駒がそれに続いたわけで、これは道悪巧者同士の決着であろう。
混戦の見立て通り、まだまだ成長が必要なメンバーだ。
新潟は一強の競馬。
昼前から強くなった雨にも負けず、ダイナカールの孫・プリンスダムがフラフラしながらも大外から伸びて快勝。
これ以上馬場が悪くなると危なかったが、そこはカメハメハ産駒。滑りやすい馬場もものともせず。
気難しさは、サンデーとガーサントによるものだろう。オリエンタルアート兄弟を育てた池江師の腕の見せ所だ。
新潟組は、土日ともに将来性を感じる。