新馬回顧 2/8・9・10
土曜は西の2場で1つずつ。
小倉1200(稍)を制したのは、スリープレスナイトの仔ブロンシェダーム。母の全盛期より100kgも少ない馬体が2番人気に止まった理由だろうが、まずは2勝目を目指して有意義な時間の使い方をしてほしい。
京都では、2000M戦が無事開催された。雪の残るみぞれ模様の渋馬場を、上位人気の2頭が抜け出す格好でゴール。先着したのは、乗れている川田騎手鞍上の1番人気ダイシンサンダー。父はアドマイヤムーンで、母がサンタルチアーナから分岐した同士の同族配合と凝った作り。父同様大きく育ってほしいものだ。
日曜は京都で2鞍。
重のダート戦は、笠松の尾島騎手騎乗キネオキャノンがゴール前抜け出して快勝。ストラヴィンスキーの仔で祖母はプライムステージという良血馬。
芝の1600は、稍重に回復も道悪模様。人気勢で唯一見せ場を作ったアドマイヤアースが、珍名スター候補ウチノウマサイコーをゴール前で豪快に捉えデビューウイン。カメハメハ産駒とゴールドアリュールの子供で決まったから、馬場の影響は少なからずあったと見るべきだ。
月曜は、土曜東京分のマイル2鞍を施行。
不良のダートは、トーアコナユキが穴快走。クロフネの牝駒。1番人気もクロフネ産駒だったが7着。
芝は稍重止まりも波乱。2番手から追走から後続の追撃を凌ぎ切ったシングンジョーカーは、兄が3勝のシングンレジェンド。父シングンオペラはオペラハウス産駒で、船橋所属のままクラシック出走を目論んだ後に中央転入。500万の身ながらアルゼンチン共和国杯でトウカイオーザの3着に入った異色の存在。兄弟で一番出世しそう。
2014年期待馬⑤
ゴールドシップ
フェノーメノ
ステイゴールド産駒は孤高の存在となった時、底なしの破壊力を体現する。でも、その後どこかでミソもつく。
ゴールドシップが、何とか持ち直してくれた有馬記念。
騎手が注文をつけたところでそれに応えてくれるような、移り気な性質の持ち主じゃないから、内田騎手に手が戻る可能性はわずかながら残っている。
馬の好き嫌いがはっきりしていて、たまに走らなくなるのも判る。ただ、人間側が走らせそうとし過ぎている点は、大変気掛かり。
馬の心を傷つけてしまっては、何の意味もない。
オルフェの場合、最後には己を主張することを人間側に受け入れさせた。自然体がよい。
復活の待たれるフェノーメノ。彼は、案外ステイゴールドらしくない。
時計勝負を好む東京巧者で、本質は長距離に向くタイプではない。母の父はデインヒル。
そのため、春はステップアップのための準備期間となる。本当に獲りたいのは、秋の東京のビックタイトルだろう。無理なく調整したい。
さて、この2頭は天皇賞に出てこられるのだろうか。
キズナが勝ち気で挑んでくるとも思えないし、エピファネイアが距離を理由に香港遠征を念頭に置いている節があるから、今年も波乱のパターンだ。
一方、このステイゴールド産駒の同級生2頭は、得意条件に臨み、一定以上のモチベーションを持っているとしっかり走る。
対抗馬というスタンスで挑めるならば、彼らの底力は最大限発揮されるだろう。
走る気にさせたいと気負わずにいれば、ステイゴールドの仔は自ずと走ってくれる。
希望はしても、無理に実現してもらわなくてもいい夢。クラシックと古馬GⅠは違う。
フェブラリーS展望
ホッコータルマエが出走してくれば、まず1番人気だろう。
ニホンピロアワーズは、左回りの東海Sを快勝。川崎記念不出走もこちらに回ってくれば不満は出ない。ジャパンカップダート(JCD)ぶっつけ参戦もこのためであろう。
ドバイ遠征の条件を、ホッコータルマエを返り討ちにすることに決めたベルシャザールの陣営にとり、最も待ち望んだレースへ挑戦することとなる。いい休みになったはずだ。
JCDの再戦。ミラクルを成し遂げた意外性のGⅠ馬ワンダーアキュートも、今回出てくれば3度目となる。一つでもタイトルは多く欲しい。
2か月を経て大勢に変化はないというのが実際のところ。
JCDの結果を考慮しつつ、ライバルを厳選した。言わずもがな、王者はホッコータルマエである。
・ベルシャザール
前走は末脚勝負で勝ち切って見せたが、上がりは0.5差しかない。
無論、着差も小さく、左回りに良績が集中している点の方が強調材料。
・ブライトライン
恐らく、17頭とかの登録数でない限り出走の目はない。出て来て欲しいが、根岸S4着は、現在のダート界におけるポジションを示している。
・ゴールスキー
で、こちらは根岸Sを勝って勇躍挑戦という運びになったのだが、ちょっと案外なレースレベルに終始してしまって、大混戦のゴール。
故に、マークの対象となりえないから、自分の競馬をすることに集中できる。
結局は、GⅠ好走馬にしか王者を負かす力はないだろう。
あとこれだけは言っておきたい。ドバイ遠征はあくまで目標。今後このレースの好走馬には、もっと太平洋を渡ってもらいたい。それこそがフェブラリーSの最終形態である。
新馬回顧 2/1・2
今週は4鞍。1場1日1レース。
もうそろそろお終いという流れにもなってきた。
春が来れば、もう2歳の良血馬が話題の中心になる。
土曜日
京都ダート1800戦は、稍重ということもあって逃げ切りが決まったが、すんなりとは収まらず。
ブラックタイドの女馬ウォーターフレアーが渋とさを発揮して押し切ったが、その後ろにいた1、2番人気馬の消えるような流れではなかったので、評価は難しい。
東京は芝の1800戦。
人気のカレンリスベットが、直線堂々と抜け出し人気に応えた。
マンハッタンカフェ産駒の牝馬で、また馬格もあるほうだから、チームアパパネの再来という意味でも魅力的な存在に育ってもらいたい。
この世代、最後はやはり牝馬に収束する流れのようだ。
日曜日
東京のダート1400を勝ち上がったのは、2番人気の良血馬。あのエスポワールシチーの全弟プレジールシチーが、無難な好位抜け出し策で初陣を飾った。兄は夏まで芝を使っていたから、もちろんこの時点で距離への耐性や、また能力値そのものも測りかねる部分はあるものの、十分上を目指せる力は持っていそうだ。
1番人気のサーストンコラルドは、勝ち馬の後ろ回ってきたのだが、直線伸びを欠き8着だった。
京都でも、人気のトーセンマタコイヤ(父ディープインパクト)がゴール前きっちり抜け出し、関東馬ながら強い競馬を見せた。
それほど距離延長は歓迎とは言えない牝系の血統構成だが、中距離の差し脚勝負に向いているのは確かだろう。時計の2分3秒0に関しては、流石に雨の影響もあるだろうから及第点以上の評価を与えたい。
ダート戦も多く、大器晩成型の発掘が今は楽しい。