予想、回顧、コラム

血統を語る、競馬予想ブログ「ぶらっと競馬場まで」

新馬回顧  6

読了までの目安時間:約 2分

 

土曜日は短距離戦が4つ組まれ、福島で2鞍行われた。
大接戦のゴールとなったダート1150M戦は、最後の最後に内の2頭を競り落としたブラックレッグの勝利。大昔の二冠牝馬ミスオンワードを出した一族。タイキシャトル産駒だが、単調なタイプではないだろう。
芝1200のニシノラッシュの勝ち方は、実にセンスのいい内容。マイルくらいまではこなせそうで、バクシンオーの底力を感じさせる。

中京1400も函館1200も混戦模様だったが、勝ち馬は強かった。
中京で人気に応えたのは、チチカステナンゴ産駒のブリクスト。ただ、フジキセキが肌の母母父ジェイドロバリーで重厚なタイプではない。春の東京のマイルGⅠでも来たくらいだから、この馬も少し追いかけて、データ収集といきたい。
北は、テンも終いも一番の時計でアクティブミノルが好時計で圧勝。スタチューオブリバティの代表産駒になれる逸材か。差しタイプに育つだろう。

日曜日は、直前に雨が降ったりと不気味な気配がそのまま結果に直結。東西とも波乱の決着となった。
人気馬総崩れの中京1600は、勝ったコスモピーコックの力強さが目立ったレース。重厚なヨーロッパ配合が、想像より重たくなった稍重馬場にフィットしたか。牝馬ながら、中距離以上の牡馬混合戦で穴狙いをしたい。よりタフな競馬が合うはずだ。

荒れ放題の福島1800戦も人気薄の逃げ切り。馬場悪化こそなかったが、中京同様行った者勝ちの競馬に持ち込んでゴッドバローズが快勝した。ステイゴールドとディープの人気馬のワンツー。ともに420kg台の小柄な馬だが、多分に成長力を秘めており、大化けもある。

 

レース回顧2014   コメント:0

七夕賞 -回顧-

読了までの目安時間:約 3分

 

台風の影響が皆無だったにも関わらず、レース当日に雨が降る。3日前の予報では猛暑日になるとも言われていたのに、単なる高速馬場ではなく、ある程度のタフさやそれでも時計が速くなる馬場状態だったから、またある程度いい位置につける能力が問われた。
福島の競馬がよく荒れるのは、最も気候が不安定な時期に、オフシーズンに突入して早々に難解なコースで、また各馬の調子が掴みきれない時、今回のようなハンデ戦が数多く行われるからだ。

午前中から荒れ放題で、単勝50倍なんて普通の馬券だよと福島のコアなファンに言われてしまいそうな不穏な空気が流れる中、実力馬の中でも不確定要素しか持たないメイショウナルトが、田辺騎手という恋人を背にして、己の意のままに逃走し、ツインターボとは違う力勝負での実力勝ちで、重ハンデ馬の追撃を封じた。

愛の力は、本当に偉大である。元々の主戦が幸騎手で、その後武豊というベストパートナーの候補を紹介されるも、最後にはよくわからない言われ、心の通じ合う関係までは発展せず。
日本には女性騎手で、本当の腕利きというのは地方にしかいないから、そういうことを汲み取ってくれる騎手が少ないので、走ったり走らなかったりを繰り返しているのだろう。夏馬というくらいで、古馬重賞を快勝することは滅多にないもの。
牝馬とは縁のある騎手にこの馬を任せてきた武田調教師の采配は、イケメン・田辺に一任という形で、復活の一歩を楽勝で飾る結果となった。
狙いは単純だったのだろう。
「あと一つ、何か気に入る理由がないと走らない」

去勢はきっかけの一つにすぎず。メイショウナルトの迷走は今後ともファンの頭を悩ませることになるだろうが、筆者は何かを見出せた気がする。
きっと、夏は得意だけど、暑すぎるとダメ。小倉記念も雨が降っていた。そして、彼というか彼女というか不思議な性質を持ったこの馬は、また違うきっかけを求め続けるのだろうと思う。

ニューダイナスティは、昨年この時期の中京でメイショウナルトを負かしていた馬。マイネルラクリマは、手応えの割に伸びてくる馬だから、ほとんど昨年の小倉記念で3着だった時と似たような展開。
その他はもう、全く勝ち馬に歯が立たない位置だったから、これは仕方ない。
ハンデ戦というのは、大抵勝ち馬のレースになってしまうものだ。

 

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七夕賞 -予想-

読了までの目安時間:約 3分

 

福島記念で快走した2頭が、酷斤にも近い58を背負う。
今やGⅠ馬が別定重賞で背負うくらいの重量なので、多少の割引は必要だろうが、買い材料がないわけでもない。

ここまで中距離重賞でことごとく馬券になっている中山記念組であることに加え、ラジオNIKKEI賞の時計から勘案すると、このコースにおける持ち時計1位、2位の馬なのだから、軽視する理由はない。この点に関しては、少なからずお天道様とにらめっこしないといけないわけだが。

21世紀の馬場造園課の管理技術向上は目覚ましく、コースごとに理想の馬場造りをするノウハウを手にしようとしている。善後策が裏目に出たとしても、先週と馬場が一変することはないだろう。

さて、その雨なり風なりの影響に関して、勝手な考察をしてみた。
土曜日の開催に少なからず影響が出るような台風の進路ではあったが、現状もう一雨ない限りは、さして先週末とは差のない高速馬場でレースが行われることになりそう。季節柄いつ何時大雨が降ってもおかしくないが、予報では開催両日は台風一過の青空が広がり、真夏日になるとのこと。

だから、土曜日の朝の回復状況によって、日曜日の馬場状態が変わってくるということはない。
土曜日の午後に中距離戦が3鞍組まれていて、日曜日にも4鞍の中距離以上の番組があって、その後に七夕賞が行われるという流れから、荒れ馬場へと変質する可能性を推測しても、あまり意味をなさなくなったのだ。

雨に対する読みが先週は外れたから、全く説得力のない根拠ではあるが、ローカル戦では馬場状態に臨機応変に対応するのが鉄則。
今回予想される馬場コンディションと似た、高速決着の重賞を勝った馬がこの中にいる。
稍重の小倉記念でレコード勝ちしたメイショウナルトである。

先行策からの早め抜け出しが勝ちパターン。
これで今回もライバルとなるマイネルラクリマとの競り合いを回避し、完勝した。
その時に比べ3kg増も、騸馬にとっては、これそのものが大きく影響するとは思えない。リズムを崩しかけているのは事実だが、この馬には1角までの距離が取れる、こういうローカル2000が最も合うだろうと思われる。自分で思うように位置を取れるからだ。

地元での競馬でここまで磨き上げた勝負勘を田辺騎手には、如何なく発揮してもらいたい。テン乗りの方がその良さは活きるだろう。
先週の2重賞がそうだったが、ハンデ戦では少しでも軽い馬の方を選ぶべきだ。新装開店の札幌から世界に羽ばたこうとする少女もいるわけで。
しかし、今週はその斤量に恵まれて狙える馬が見当たらない。
55でディープらしくないタイプのニューダイナスティに、第二のダノンバラードの可能性を信じて対抗に。あとは、パラパラと流して高配当ならニンマリだ。

 

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プロキオンS

読了までの目安時間:約 2分

 

ここは素直にベストウォーリアから。それでも、1番人気になるとは限らないが。
ここまで見事に勝ちと負けのリズムを繰り返している馬だが、1400Mの高速決着が一番得意そうで、実は当該距離3戦1勝という案外な戦績の持ち主でもある。
まあ、2敗したのは若い時期だったから、特に気にする必要もないだろう。
その点からも、ベストウォーリアという馬が血統の印象から受ける、案外の早熟性というような、昔よく見たボールドルーラー系の成長力の乏しさからは、縁遠い存在だと言える。

TVで見た、雨の大井でのカゼノコ・ハナ差差し切り勝ちに、妙な勘繰りをしてしまいそうになった反省の意味も込めて、昨年の2歳王者もこのような成長曲線を描いてもらいたいと願っている。

本命の最大根拠は、勝った内容より、負けた東京マイルの2戦にある。
フェブラリーSはスローより揉まれたこと、前走は時計が出る馬場で競り合いに持ち込まれて、それぞれ期待を裏切っている。
こう見てしまうと結構危ないタイプにも思えるが、向こう流しと最後の直線の長さが大きく変わらない上、
アジアエクスプレスのように馬込みから競馬するのが、今回初めてでもないのだ。
だから、大丈夫だと思うし、例のリズムはまだ続くと見る。渋馬場なら頭固定。

 

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雨ならば

読了までの目安時間:約 2分

 

列島を大型台風が襲う今、雨にまつわる血統の話を一つ。
実は今年、芝・ダートのオープンクラスで重・不良だった9レースの勝ち馬に、顕著な傾向が現れている。

5代以内にナスルーラ系の種牡馬が入っている馬が、該当レース勝者のうち7頭もいるのである。
例外はエルフィンS(重)のシャイニーガールとポラリスS(重)のキョウワダッフィー。
ただ、後者は母にナスルーラの5×5が掛っている上、自身もその直仔であるナシュアの5×5を持っているから、例外とは言えず。
シャイニーガールにしても、母母父ミルジョージという馬は1頭だけいたが、ダートの新馬戦を制した馬だったから凡走も当然。馬場を味方につけた。

ナスルーラ系は多種多様に進化した子孫が色々な傾向を示し、健在であることも認めるが、少数派になってきた日本での立ち位置を考えると、少々興味深くも映る。
この傾向の特徴は、芝向きのナスルーラ系種牡馬であるテスコボーイから一大勢力を築いたプリンスリーギフトの名前がどこにもないこと。代わって、90年代まではよく走っていたボールドルーラーやブラッシンググルームの系統が多く見られる。

テスコボーイやパーソロンなど初期にクラシック等当時の八大競走で総合力を示す産駒が現れた場合、その系統は長く生き延びる。それは、サンデーサイレンスと御三家を形成したブライアンズタイムやトニービンとも共通する。
トニービンinの2頭は、良馬場の重賞を快勝していた。

やはり、これは日本の高速馬場に対するアンチテーゼを示したサインなのか。
傍流血統の現状に加え、その国の性質までも表した天の啓示とまでいうと大袈裟だが。

 

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