中京記念 -予想-
暑い。もう7月の末だから、当たり前なのだが。
桜のつぼみがもうひと粘りしてまだ開くには早い時期に行われていた中京競馬場の名物競走も、大幅な改修工事後、ハンディキャップ競走の条件こそ引き継がれたが、その性質は大きく変貌した。
真夏のマイルシリーズ初戦に位置づけられることになった中京記念は、これまでフラガラッハの圧倒的なコース適性により、彼の独壇場と化してきた。無論、3連覇を懸けて今年もここに挑んできた側面はあるが、一昨年はここを勝って秋まで休むも結果は出せず、昨年も残るシリーズ2戦で共に二桁着順と、その他であまりにも芳しくない戦績が残っている。
エリモハリアーやメイショウカイドウのような同じ型にはめて相手の長所を少しでも削り取れればという、特定の条件で特化した能力を示すタイプだろう。
だからこそ、前走の鳴尾記念3着というのが、距離延長作戦の成果だとすれば、今のフラガラッハはパワーアップというよりマイナーチェンジした印象を受ける。
また、今年もそれこそ春の2000M時代と似たようなオッズが表示されることとなるはずだが、少なくとも3年目のマイル中京記念としては過去最高のメンバーが揃ったと言える。
GⅠ馬もGⅡ馬も、春の重賞好走馬も何頭か出てきたから、出入りの激しいマイル路線らしいタフな戦いになる。
本線とするには、何か他の要素が欲しいところだが、雨が降ってくれればの望みは叶いそうにない。
こちらも雨が降ると走る印象のあるダイワマッジョーレは、雨の中山記念で8着以来の実戦となる。
これまで夏にあまり走らせてこなかったのは、不得手とかではなく、この馬が消耗によるパフォーマンスダウンが顕著なタイプであるからだろうと思う。
下級条件時代には例外もあったが、連続好走する時は決まって前走と中4週以上開いている。
それもこれも、父には似ず440kg前後の体で、毎度毎度路線のトップクラスの馬が集まる重賞に挑み続けるための戦略。
だが、秋にスワンS-マイルCSで連続2着した時から4戦連続440kgをキープして使われて、なおかつ都合7戦連続体重減なしの充実ぶりには、父の域に近づいてきたという見立ても筋違いではないはずだ。
よって、ここに休み明けで挑んできたことも体の小ささも、今のダイワマッジョーレには重箱の隅をつつく要素に過ぎないというのが結論。
同期のGⅡ馬で、今一つ突き抜けられないクラレントにも同じく57.5という重い斤量が課せられているが、正直実力勝負なら格上の2頭だろう。安田記念組なので、一応対抗止まり。
4週連続ハンデ重賞開催で、53以下の馬がまだトーホウアマポーラ1頭しか来ていないのは逆張りのチャンスか。
3歳52のマイネルディアベルは、よーく血統表を覗いてみるとフラガラッハと共通する血が多く、タイプも似ている印象があるから、こちらの方が面白いので多めに買いたい。
エルムS -予想ー
新装後最初の重賞。
GⅠ馬2頭が7月のローカル重賞に出てきた事は、素直に喜べない部分もあるが、重賞馬が揃いも揃って11頭参戦。残る2頭もクラシック指向の血統馬だから、いつその仲間に入ってもおかしくない。
こういう時は実力勝負だろう。斤量利はない分、GⅠや海外遠征によって、スキルアップが多分に期待されるブライトラインから狙いたい。
ブライトラインの弱点は、なんと言ってもその気難しさ。
数々の名手を手こずらせ、折り合い重視の芝マイル戦線参戦時は不発の連続。
ところが、ダート戦に矛先を向けた途端、好位抜け出しの形で勝負できるようになった。
いい脚が一瞬というのは同じ。よって、昨年のエルムSなど楽勝だと思ってみていたのだが、思わぬ高速決着の影響かジリジリ…。
1800MのみやこSを勝った時は、ちょうど鞍上が絶好調だったからうまく距離をこなしたが、直線が長いと終いはジリに。
日曜日の雨予報はプラス。前記の2つの重賞は、ファルコンSで初重賞制覇した時と同じく、雨の影響が馬場に出ていた。雨男ぶりを発揮したい。リフレッシュしての参戦は、気性面からも買い材料。
ちなみに、初勝利した3戦目の稍重の競馬で2着だったのは、先週の主役ラブイズブーシェである。是非ともあやかりたい。