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血統を語る、競馬予想ブログ「ぶらっと競馬場まで」

雨ならば

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列島を大型台風が襲う今、雨にまつわる血統の話を一つ。
実は今年、芝・ダートのオープンクラスで重・不良だった9レースの勝ち馬に、顕著な傾向が現れている。

5代以内にナスルーラ系の種牡馬が入っている馬が、該当レース勝者のうち7頭もいるのである。
例外はエルフィンS(重)のシャイニーガールとポラリスS(重)のキョウワダッフィー。
ただ、後者は母にナスルーラの5×5が掛っている上、自身もその直仔であるナシュアの5×5を持っているから、例外とは言えず。
シャイニーガールにしても、母母父ミルジョージという馬は1頭だけいたが、ダートの新馬戦を制した馬だったから凡走も当然。馬場を味方につけた。

ナスルーラ系は多種多様に進化した子孫が色々な傾向を示し、健在であることも認めるが、少数派になってきた日本での立ち位置を考えると、少々興味深くも映る。
この傾向の特徴は、芝向きのナスルーラ系種牡馬であるテスコボーイから一大勢力を築いたプリンスリーギフトの名前がどこにもないこと。代わって、90年代まではよく走っていたボールドルーラーやブラッシンググルームの系統が多く見られる。

テスコボーイやパーソロンなど初期にクラシック等当時の八大競走で総合力を示す産駒が現れた場合、その系統は長く生き延びる。それは、サンデーサイレンスと御三家を形成したブライアンズタイムやトニービンとも共通する。
トニービンinの2頭は、良馬場の重賞を快勝していた。

やはり、これは日本の高速馬場に対するアンチテーゼを示したサインなのか。
傍流血統の現状に加え、その国の性質までも表した天の啓示とまでいうと大袈裟だが。

 

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それはSSだから

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サンデーサイレンスの威光は、直仔の世代が活躍していた頃に比べ、質量ともスケールアップし、その強さは増している。
進化を遂げつつ、一方で自然淘汰の流れも作り出し、完全体の選別は日々加速中だ。

2014年上半期に行われた中央のGⅠを直系の孫が完全制圧。無論、史上初の出来事だ。
有馬記念から12戦連続勝利中。
重賞競走に拡大しても、ヴィクトリアマイル以降全てでSSの直系か孫の世代が勝っていて、母父SSのディアデラマドレなど例外的なほど。
AJCC勝ちのヴェルデグリーンなど10頭以上の例外馬はいるのだが、サンデーorキングマンボinというフィルターをかけると、ベルカントとレッドスパーダしか残らないから凄い。

週の単位では、秋華賞をメイショウマンボが制してから9か月間ずっと、毎週のように直系の孫が重賞勝ち馬となり、サンデーの血が入っている馬は、ダノンシャークが富士Sを勝ってから計26回1番人気に応えている。
国内の重賞という括りでは、年末にホッコータルマエが一矢報いた週もあったが、今年はまだ継続中。
母父SSのホウライアキコがデイリー杯2歳Sをレコード勝ちした週から数えると、中央の重賞を都合開催41週連続制覇中なのだ。

言わずもがな、サンデー系による重賞制覇は、プライムステージが1馬人気に応えた札幌3歳Sが最初。ちょうど今から20年前の7月31日のこと。
その後、21世紀の日本競馬を支えこととなる偉大なる中興の祖は、生産者に活力ある血の融合を世界中から集めさせた。それが春のドバイで結実した形として現れたのである。
終焉などとは無縁の季節を、今迎えている。

 

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