CBC賞 -予想-
函館スプリントSとは異なり、特段実績のある馬はいないし、また極度の不振に陥ってしまったベテランもいない。
実力伯仲のハンデ重賞。好きな人にはたまらない条件であり、雨というファクターが無限の想像力を掻き立てる極めて難解な一戦だ。
おまけに、牝馬の方が適性も勢いもあるから、それが人気とリンクすることは容易に想像がつく。
故に、とてつもなく難しいレース検討となるわけだ。
近走での好走実績のある有力牝馬4頭は、
・ルナフォンターナ<半兄・フリオーソ>
1400M以下では6勝2着3回 3連勝中
・ベルカント<52・乗り替わりなし>
1400M以下全4戦で連対 重賞2勝
・リアルヴィーナス<50・急坂コース2勝>
1400M以下3勝
(ネオユニヴァース産駒ながら、葵Sは1:07.5の好時計勝ち)
・エピセアローム
1200重賞2勝
(2012年スプリンターズS④<レコード決着>)
と、軽さと重厚さも兼ね備えた実力馬ばかり。馬場悪化も想定されるので、これらを軽視することが悪いとは思わないが、この実績が男馬のものだとすれば、切る材料などないはずだ。
ただし、先週のこともあるので、全幅の信頼とまではいかない。疑い出せばキリはないが、勢いのある55の実質トップハンデであるルナフォンターナ以外は、重馬場になったら少し狙いにくいか。
敢えて兄の名前も記したのだが、同じ勝負服のムーン産駒・アルキメデスとも配合が似ていて、彼もまた、稍重の中山記念で好走していた点から、柔軟に対応できる可能性はある。
昨年のスプリンターズSは、ロードカナロアとハクサンムーンの一騎打ち。
ただ、各馬のその後の成績を見ると、これが案外なもの。ロードカナロアは別格として、それに追随したハクサンムーンを始め、この組は、不利もあり7着だったグランプリボスくらいしか芝で結果を残せていない。
更に、今年の短距離GⅠがともに不良馬場だったせいもあるのか、そこを使ってきた組がどうも冴えない。
スプリンターズSでは、僅差の3着と健闘を見せたマヤノリュウジンも例外に漏れず。
だが、父キングヘイローに似て、妙に人気になると粗忽な面を見せる部分があって、こういう場面こそ出番ありとも言える。
中央では4度1番人気になり、たまたまだろうが、1回だけ人気に応えた時が重馬場。
前回まで、ずっと良馬場での競馬だったから、血統のイメージ通りに渋った時は買いたい馬だ。
年に4回くらい使えればマシ、というほどの虚弱体質からは脱し、相変わらず順調には使えていないが、勝ちたいレースに絞って使ってきた点は強調材料。
昨秋のような接戦でこそ出番があるタイプだろうし、男の意地に今週も期待。小牧騎手が妙にと言ったら失礼だが、結構乗れているのは心強い。
何だこいつは!? -放言・自由の奨め-
ゴールドシップと横山典弘は、ベストコンビであった。また、相も変らぬグランプリマイスターぶりも発揮。
春の反省、秋の準備。夏はいつも勉強の季節。
反省の課題に、絶対に負けられない戦いを制した名馬に流れるDNAを鑑定すれば、気になってくる、気になってくる。
「ステイゴールド」
その功罪。これはこれ、あれはあれというタイプなのは間違いない。
その功績に異論なし。
連覇という偉業が2つ。春の5歳馬には比較的容易いことではあるが、日本の格式高いGⅠでのことだから、歴史的な快挙だ。そのフェノーメノとゴールドシップは何度も対戦しているのだが、轡を並べて仲良くゴールしたことは一度もない。
G:君が変なんだよ
F:そんなこと言われても困る
ステイゴールドの罪とは、このことか。
マックイーンというベストファーザーに傾倒したが、血統的見地では、インブリードの邪魔にならない存在が、成功へと導いたと解釈。
フェノーメノは、限りなくディープインパクト産駒に近い性質を示している。それでも、得意条件にステイゴールド産駒らしさが見え隠れ。
不肖の息子のずる賢さから勘案すると、こう考えたら合理的か。
「サンデーサイレンスに一番よく似ているのは、実はステイゴールドだった」
サンデーよりもずっと、ステイゴールドの方が小さい。ミニサンデー。
第3世代の複製へと受け継がれた尊大さ、なのか。
夏の課題は、『ステイゴールド大解剖』で。
どこかの少年向け雑誌の付録に、夏の自由研究の題材が載り始める頃だが…。
これは大人にも難題。子供達には、あのSTAP細胞についての検証でもしてもらおう。