宝塚記念 -予想-
地獄のような世界に射した西日。
ご来光の出入射点で呼吸をし、また同時に、結果を残すことの重要性も証明した名牝が、今回の主役であると確信している。
ある少女の写真を眺めていた。ディープインパクトの仔なら、手広く押さえるのも悪くない。
毎年恒例のジコマンPOG馬30選のうちの1頭が、この後、思いもよらぬ大出世を果たす。
同じ頃、姉は気難しさと非力さを露呈し、クラシックを断念。この年からディープ時代は始まる。
桜が咲く頃は、ディープ産駒が活躍する。
その時に違うブームを作った皐月賞馬と、対戦経験のある者同士が今回対決。
フランスの高級ブランドなんざ興味ねえよ、とかすっとぼけていた奴だが、牝馬の時代に最も抗った駿馬でもあった。
「男なんて、そんなもんさ」
ナカヤマフェスタ、凱旋門賞再挑戦は不発。煮ても焼いても食えぬステイゴールドの狂気は、花の都でマエストロにはなれないことの最大要因であると、オルフェの未来を暗示していたのか。
これら全て、福島競馬場が開催不能だった年のエトセトラである。
年が明けた。姉が重賞を勝つより一足早く、牡馬混合のシンザン記念で初重賞制覇を果たしたのが、今回川田騎手を再び迎え入れた彼女だ。
デビュー戦は、京都競馬の中でも指折りの極悪馬場。2着。以降、タフな馬場では何度となく苦しめられることになる。
3月のトライアル4着時は、その苦手な重めの馬場と極度の体調不良の影響もあった。
でも、その後の彼女は威風堂々、完全王者の姿を誇示する。
桜は当たり前のように力で他をねじ伏せ、オークス圧勝、秋華賞も勝負強さを見せ快勝。
極限まで絞りこんだJCでは、「あなたはまっすぐ走れないんですね」と、王者にぐさり。
ディープらしい真面目で強かな気質がよく表れていた。
特別なものを手に入れた時、それが選り取り見取りの推奨品から選んでいた場合の抵抗感。もう手の届かないところに行ってしまったんだな。
それもこれも、桜花賞で違う馬なんかを本命にしたからだ。先日のマーメイドは、あれだけいい流れの中で5着。
全くもう…。今更だが。
古馬になり、ドバイで完敗後は、同期の牡馬連中にもプライドを粉砕された。JCでもまたハナ差。
終焉は近いのか…。
だから尚のこと、京都記念の結果に、愛おしき姫の時代の顔を顧みた。決して、女らしくないわけじゃないだよな。
シーマクラシック圧勝なんて、もはやどうでもいい。
今の彼女は、ハナ差でジャパンカップを勝つことにおいて当代随一のスペシャリストだ。よって、2400Mでは常に世界レベルのパフォーマンスを披露できる。
前年の5月以降に2400MのGⅠで好走している馬が、このレースで10年連続、20年で19回馬券になっている。
もし本質で変わらないものがあるとするならば、それはまた彼女から勇気を得るのに、ここまでの功績を勝って祝う理想形が、今回の主題ではないだろうか。
同時に、これが最後の輝きとなる予感もする。何故なら、今の彼女の目標に、次なる試練などもすでにないからだ。
ジェンティルドンナのイニシャルGは、悲惨な結末となったサムライブルーの永遠のテーマである、「ゴール」を意味するサインなのかもしれない。
「ゴール」ドシップは…、後付けの口実の方が面白い。
新馬戦展望
自由なイメージで買えるのは面白い。思い込みで買って外しても、結局誰も悪くないのが、新馬戦のいいところだ。
土曜
東京(芝1600)
◎エグランティーナ
母の全姉はダイヤモンドビコー。Sクリスエスの仔なので、少し早いかもしれないが、母母父アリダーの日本の傑作はリンドシェーバー。総合力で。カッチーらしい好位抜け出しを希望。
阪神(芝1200)
◎イッツマイン
洋芝向きの牝系とマキャヴェリアンの孫の配合。函館なら鉄板だろうが、牝馬でこの時期の阪神なら。短距離戦ながら、翌日の大一番のヒントが見えそう。
函館(芝1000)
◎アンブリカル
チャンピオン血統のデパートのような配合。短距離型なら大成も。マンハッタンカフェ牝駒。
日曜
東京(芝1400)
◎ショウナンライコウ
そろそろ来そうなバクシンオー。テスコボーイとロベルトの構成は、ウオッカとは逆の配合。東京向きかも。
阪神(芝1800)
◎ティルナノーグ
今週唯一の中距離新馬はディープから。母がゴーンウェスト×ジルザルで怪しさ満点だが、その奥には正統派の根幹血統がズラリ。凡走は危険なサイン。
函館(芝1200)
◎ミネッサ
プリティダンスの仔がファルブラヴだから気になるが、やっぱりここはメリッサの方で。またマンハッタンの女の子だ…。