予想、回顧、コラム

血統を語る、競馬予想ブログ「ぶらっと競馬場まで」

ダービーと血統の物語

読了までの目安時間:約 2分

 

ウオッカの偉業は、SSに先を越して「孫」がダービー勝ったことだろう。
BTの孫ではあるが、シラオキの子孫だからこその合わせ技という側面もあり、またクリフジ以来64年ぶりの牝馬制覇、トウカイテイオー以来16年ぶりとなる父内国産馬による勝利及びダービー親子制覇という歴史的事象だったことも認めるのだが、これ以上の意味は持たない。
サンデー時代の第二章開幕直前の一大スペクタクル。
前年も同牝系のメイショウサムソンが勝った。だが、もう少し古い話だ。

父超えを確信したダービーで、血統の重要性も体現したオルフェーヴル。
父父はダービー馬を6頭出し、母父メジロマックイーンの別流からは親子制覇を成し遂げたルドルフ-テイオーが輩出。
母父は、社台の異流探索中にレーダーに引っ掛かった逸材。
ノーザンテーストのクロスも成功理由だが、彼もダイナガリバーを送り込んでいる。
いい馬を作り、いい馬を買い付けてきた社台の近代史が凝縮した血統馬なのである。

信じられるディープ親子の凄さ。
ディープブリランテとキズナは、恵まれたバックボーンという点が共通しているものの、キズナはノースヒルズマネージメントの自家生産馬だ。
実は、弥生賞やスプリングSに出走し、負けていた馬のダービー制覇は、実はアドマイヤベガ以来なかった。その前がサニーブライアン。この2頭、かなり特殊。
単純にいい血統であることと、素晴らしい種牡馬の仔であること。
複雑さがないことがサンデーサイレンス産駒と同じ。
やっぱり、あの5馬身圧勝に理由を求めるしかない。
脚質もまるで正反対ということも、多様性の点で特筆すべき性質だ。

 

競馬&予想コラム 血統   コメント:0

ダービーで変わる

読了までの目安時間:約 2分

 

イスラボニータは、ダイタクリーヴァ(12着)・ドリームパスポート(3着)といった前例にみる「血統の壁」を乗り越えられるのだろうか。
幻の三冠馬の仔たちは、総じて距離不安というよりは、詰めの甘さが目立つために、クラシックのような一発勝負の舞台ではなかなか出番がなく、ずっと主役にはなれかった。
が、イスラボニータは歴代の皐月賞馬とも比肩するパフォーマンスで第一冠を奪取した。
時計が少し速くなれば…。距離延長に不安のある馬のために必要な勝ち運。人気を背負う以上、得する何かも欲しい。

こちらも血統がポイント。
「ハーツクライ×タイキシャトル」
奇怪な配合のワンアンドオンリーに託された夢は、ちょっとだけズレた焦点が、ダービー制覇に繋がるかどうかが全て。普通は怪しい。
ただ、ヘイローの3×5でも不良のダービーを勝てたし、同じ3×4を持つ馬がダービー3着後に飛躍を遂げた。
タキオンもステイゴールドも勝てるなら…。
カメハメハも似たような側面はあるが、その筆頭候補は三冠トレーナーが管理している。ステイゴールドの2歳女王も目の上のタンコブだ。
「1着」を信じたい。

大久保洋吉調教師と厩舎所属の吉田豊騎手との絆は、今や廃れつつある師弟制度の産物。
メジロ、シンボリクリスエス、吉田豊の組み合わせに、3歳より古馬、ダービーよりオークスのイメージが先行するのは致し方ないが、ミラクルな豪脚で制した青葉賞親子制覇の勢いは凄い。
父末吉師から受け継いだメジロの血を管理する資格。
愛弟子が乗って勝つことで、最高の餞別を受け取れたなら、小説など本当に面白くなくなる。

不遇な男達に幸あれ。

 

競馬&予想コラム   コメント:0