オルフェーヴルへの質問
阪神大賞典で終わる、と思っていた。
前走有馬記念は異常すぎた。常識的な概念を飛び越えるパフォーマンスで古馬緒戦を制したならば、必ずや反動が出ると思ったのだ。
事後にデータを調べた。2400M以上の競馬をひたすら使われ続けると、必ずどこかで墓穴を掘る。
結果、馬は行く気を抑えきれず、それを制御しようとしすぎた騎手とのリズムは崩れ、互いを信じられなくなっていった。報いということか。
思えば、走ることを自ら拒否したことが2回あった。
一つは、大凡走の天皇賞。
阪神大賞典後の一戦で、立て直しは不可能という絶望的な状況。
でも、宝塚ではオルフェが戻った。あの日は一体…。
人気を背負って挑んだ、最初の凱旋門賞もそう。
ソラを遣ったのは事実だが、スミヨンは、
「ロンシャンの重馬場であんなに鋭く反応する馬がいるはずはない…」
と、思ったのだろう。これも騎手との関係がチグハグだった。
でも、調子がイマイチだったのだろう。JCも不発に終わった。
有馬記念とフォア賞。
何かある前には必ず勝っていて、おまけにその後もこの2レースを勝っている。
ここに動物的嗅覚の鋭敏さを感じる。防衛本能ともとれるが。
それでも、これはよくわからない。
阪神大賞典は、自分としたらあのまま行けてたら、余裕のよっちゃんだったのか?
謎だ。
もし答えがノーならば、完調に程遠い宝塚は勝てなかったはず。
今も人を信用しているか疑問だから、質問の際には代理馬を通してみるのもアリか。
でも、こう返してくるのだろう。
「俺とか、去年一緒に走った若造とは違うタイプが、凱旋門勝つね」
名馬の分析など、ナンセンスの極みなのだ。
ヴィクトリアマイル展望
直前で何かを掴んだ者が勝つ。
力関係からして、エリザベス女王杯の段階で、メイショウマンボがもう少し人気を集めていて然るべきはずだったが、実際はそうならなかった。
そのメイショウマンボが急遽、こちらの違う意味で厳しい一戦に参戦する模様。全体が一変したのではなく、元に戻った感じ。
複雑かつ難解な勢力図であることに変わりはない。
ヴィルシーナ感動のゴールから一年。以降、ハナ差届かなかった前々年覇者が元気を取り戻し、ついには苦手の渋馬場で東京新聞杯を勝ってしまった。
ヴィルシーナ、どうした?
中距離路線からは有力馬が出てきた。
前述のメイショウは、女王杯後は一度しか使っていないから評価は保留状態も、フーラブライドやスマートレイアーなどが秋から一気に力をつけてきた。
愛知杯で対戦しているが、武器が違うから得意条件も当然異なる。
恐らく、どちらにも次の舞台は厳しい条件ではあるだろうから、取捨は慎重にしたい。
意外とメンバーの集まりそうな福島牝馬S組は少々不気味。
キャトルフィーユやケイアイエレガント。それに続いたアロマティコもいい加減怖い。
マイルなら巻き返して不思議ないミッドサマーフェア、トーセンベニザクラ。これだけ挙げてまだ書ききれないくらいで、絶対見逃せない。
京都で結果を残したウリウリは阪神でも上々の内容で、レース傾向からも切ることはお勧めできない。
軽い印象の馬は少ない。総合力だけでは勝ち切れないだろう。
元に戻った。その真意は、東京マイルではどんな才能が引き出されるか不明確なので、やってみないとわからないということだ。
だから、若い方が有利なのだ。